WordPress自動更新にしてあれば放置でいいですよね?
答え:いいえ、そうはいかない。
自動更新にしたんだから、もう何もしなくていいですよね? 管理者の人件費、もったいないし。
そう思う気持ち、よくわかります。
でも、そうはいかないんです。
自動更新の目的
誤解:管理者を不要にするもの
❌ 自動更新にしたら、もう誰も触らなくていい ❌ 管理者の人件費を削減できる ❌ 放置しておけば勝手に安全になる
正解:管理者の仕事を軽減するもの
✅ 管理者の作業負担を減らす ✅ 緊急セキュリティパッチを即座に適用 ✅ でも、管理者は必要
なぜ管理者が必要なのか
理由1: いつアップデートされるかわからない
WordPress自動更新の仕様:
✅ 深夜・早朝に実行されることが多い
❌ 実行時間を指定できない
❌ 全サイト同時ではなく、順番に段階的に実施
つまり:
- 今日の深夜かもしれない
- 来週の早朝かもしれない
- いつ実行されるか、誰にもわからない
理由2: アップデートはリスクが高い
よくあるトラブル:
トラブル1: サイトが真っ白
WordPress 6.7に更新
→ プラグインが対応していない
→ サイトが真っ白
トラブル2: レイアウト崩れ
テーマを更新
→ CSSが変わった
→ デザインが崩れた
トラブル3: 機能が動かない
プラグインを更新
→ 他のプラグインと競合
→ 問い合わせフォームが動かない
理由3: 夜中に実行されても翌朝が危険
最悪のシナリオ:
午前3時:自動更新が実行される
午前4時:サイトが真っ白になる(誰も気づかない)
午前9時:社員が出社
午前9時05分:「サイトが見れません!」
午前9時10分:「問い合わせフォームが動きません!」
業務への影響:
- 顧客がサイトにアクセスできない
- 問い合わせができない
- 注文できない
- 機会損失
自動更新の種類
WordPressには3種類の自動更新がある:
1. コアの自動更新(WordPress本体)
デフォルト設定:
- マイナーアップデート:自動(6.6.1 → 6.6.2)
- メジャーアップデート:手動(6.6 → 6.7)
推奨設定:
- マイナーアップデート:自動でOK(セキュリティパッチ)
- メジャーアップデート:手動(リスクが高い)
2. プラグインの自動更新
デフォルト設定: 手動
推奨設定:
- 信頼できるプラグイン:自動でOK
- 重要なプラグイン(EC、会員機能):手動
3. テーマの自動更新
デフォルト設定: 手動
推奨設定:
- 手動(テーマ更新はリスクが高い)
正しい運用方法
ステップ1: 基本は計画的に実行
推奨スケジュール:
- 月1回、深夜または休日にメンテナンス時間を設ける
- 事前にバックアップを取る
- 手動で更新を実行
- 更新後の動作確認
ステップ2: 緊急時のみ自動更新に頼る
自動更新が役立つとき:
- 深刻な脆弱性が発見された
- 管理者が不在(出張、休暇)
- 緊急パッチが必要
それ以外: 計画的に手動で実行
ステップ3: 監視と判断
管理者の仕事:
- 監視
– 更新通知が来ていないか確認 – セキュリティ情報をチェック
- 判断
– 今すぐ更新すべきか? – バックアップを取ってから? – 深夜に実行すべきか?
- 実行
– 計画的に更新を実施 – 動作確認
- 記録
– 更新日時を記録 – トラブルがあれば報告
自動更新を有効にする方法(参考)
WordPress本体の自動更新を有効化
wp-config.php
に追加:
// メジャーアップデートも自動更新(非推奨)
define( 'WP_AUTO_UPDATE_CORE', true );
プラグインの自動更新を有効化
WordPress管理画面:
- プラグイン → インストール済みプラグイン
- 該当プラグインの「自動更新を有効化」をクリック
よくある質問
Q1: 自動更新を完全に無効にできる? A: はい。wp-config.php
で無効化できます。でも、セキュリティパッチは自動がおすすめ。
Q2: 自動更新が失敗したらどうなる? A: WordPressがメールで通知してくれる。管理者のメールアドレスに届く。
Q3: バックアップも自動でとれる? A: はい。UpdraftPlusなどのプラグインで自動バックアップ可能。
Q4: 自動更新で壊れたサイトを復元できる? A: バックアップがあれば可能。だから、自動バックアップは必須。
Q5: 結局、自動更新は使わない方がいい? A: いいえ。セキュリティパッチは自動でOK。メジャーアップデートは手動がおすすめ。
トラブルシューティング
エラー1: 自動更新が実行されない
原因: サーバーのcronが動いていない
対処法:
- サーバーのcron設定を確認
wp-cron.php
が実行されているか確認
エラー2: 自動更新後にサイトが真っ白
原因: プラグインの互換性問題
対処法:
- FTPでサーバーに接続
wp-content/plugins/
の該当プラグインを削除- サイトが復旧したら、プラグインを再インストール
エラー3: 更新通知メールが来ない
原因: メール送信機能が動いていない
対処法:
- WordPressのメール送信テスト
- サーバーのメール設定を確認
- SMTPプラグインを導入
まとめ:管理者をケチると損をする
自動更新の真実
✅ 管理者の仕事を軽減する ❌ 管理者を不要にはしない
管理者の役割
- 監視: 更新情報をチェック
- 判断: いつ更新すべきか決める
- 実行: 計画的に更新を実施
- 記録: トラブル時の対応記録
ケチって管理者を削ると
- 夜中にサイトが壊れる
- 翌朝、業務に影響が出る
- 復旧に時間がかかる
- 機会損失が大きい
結論
自動更新は便利だけど、放置はNG。
管理者の人件費を削りたい気持ちはわかる。 でも、トラブル時の損失の方が大きい。
管理者は必要です。
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