情シスになるにはどうすればいい?
答え:社内情シスなら、自社システムを理解することから。
前任者が辞めて、急に情シス担当になってしまった。 これから情シスを目指したい。
どこから始めればいい?
まず、知っておくべきことがあります。 「プロの情シス」と「社内情シス」は別物です。
プロの情シスと社内情シスの違い
プロの情シス(インフラエンジニア)
仕事内容:
- 大規模なシステムインフラの設計・構築
- データセンターの運用
- クラウドインフラの管理(AWS、Azure、GCP)
- 複数の顧客のシステムを管理
求められるスキル:
- ネットワーク設計
- サーバー構築
- セキュリティ設計
- プログラミング(自動化スクリプト)
- 資格(LinuC、CCNA、AWS認定など)
キャリアパス:
- インフラエンジニア → シニアエンジニア → アーキテクト
- 技術専門職として深掘り
社内情シス(社内SE)
仕事内容:
- 自社のシステムを理解して守る
- トラブル対応
- ユーザーサポート
- ベンダーとのやり取り
- 社内ネットワーク・サーバーの管理
求められるスキル:
- 自社システムの理解
- トラブルシューティング
- コミュニケーション能力
- 基本的なサーバー・ネットワーク知識
キャリアパス:
- 社内情シス → 情シスリーダー → 情報システム部長
- 経営層とのやり取りも増える
どちらを目指すか
このサイトで扱うのは「社内情シス」です。
理由:
- 前任者が辞めて、急に担当になった人が多い
- まずは自社のシステムを守ることが目標
- プロの情シスのような深い技術は、後から必要に応じて学べる
社内情シスになるための学習ステップ
ステップ1: 自分でサイトを立ち上げてみる
何をするのか:
- レンタルサーバーを借りる(Xserver、さくらなど)
- WordPressをインストールする
- サイトを公開してみる
なぜこれが重要か:
- 自社のサイトと同じ環境を体験できる
- トラブルが起きても、自分のサイトなら怖くない
- 失敗しても誰にも迷惑がかからない
費用:
- 月額1000円程度(レンタルサーバー代)
所要時間:
- 初回:2〜3時間
- 2回目以降:1時間以内
ステップ2: 何度も繰り返す
繰り返すこと:
- サイトを作る
- プラグインを入れる
- テーマを変更する
- バックアップを取る
- 復元してみる
- 壊してみる(テスト環境で)
- 直してみる
なぜ繰り返すのか:
- 1度では理解できない
- 繰り返すうちに「なぜこうなるのか」がわかる
- 自信がつく
ステップ3: 1つずつ理解を積み上げる
理解すべきこと(順番に):
1. WordPressの基本
- 管理画面の使い方
- 記事の投稿
- プラグインのインストール
- テーマの変更
2. バックアップ・復元
- バックアップの取り方
- 復元の方法
- 自動バックアップの設定
3. セキュリティ
- パスワードの管理
- 更新の重要性
- 不正アクセスの防ぎ方
4. トラブルシューティング
- サイトが真っ白になったときの対処法
- ログインできないときの対処法
- プラグインが動かないときの対処法
5. サーバーの基本
- ディスク容量の確認
- ファイルのアップロード(FTP)
- ログの見方
ステップ4: 生成AIを活用する
生成AIでできること:
1. エラーメッセージの解説
質問例:
「WordPressでこんなエラーが出ました。どういう意味ですか?」
エラーメッセージをコピペ
2. 手順の確認
質問例:
「XserverでWordPressをインストールする手順を教えてください」
3. トラブルシューティング
質問例:
「WordPressのサイトが真っ白になりました。どうすればいいですか?」
4. コードの解説
質問例:
「このPHPコードは何をしているのですか?」
コードをコピペ
活用のコツ:
- 具体的に聞く
- エラーメッセージはそのままコピペ
- 理解できるまで質問を重ねる
- 実際に試してみる
社内情シスに必要なスキル
技術スキル
1. 基本的なサーバー知識
- サーバーとは何か
- ディスク容量の見方
- バックアップの仕組み
2. ネットワークの基礎
- IPアドレスとは
- ドメインとは
- SSHとは
3. セキュリティの基本
- パスワード管理
- 2段階認証
- SSL証明書
4. WordPressの知識
- 管理画面の操作
- プラグイン・テーマの管理
- トラブルシューティング
ヒューマンスキル
1. コミュニケーション能力
- ユーザーの困りごとを聞き取る
- 専門用語を使わず説明する
- ベンダーとやり取りする
2. 問題解決能力
- トラブルの原因を探る
- 優先順位をつける
- 代替案を考える
3. 責任感
- システムの番人としての自覚
- 高価なインフラを扱う責任
- ユーザーを守る使命感
4. 冷静さ
- トラブル時にパニックにならない
- 落ち着いて対処する
- 温厚な性格が求められる
情シスという仕事の特徴
システムの番人
何を守るのか:
- 会社のWebサイト
- 社内ネットワーク
- 顧客データ
- 業務システム
責任の重さ:
- サーバーは数十万〜数百万円
- データは金額に換算できない価値
- トラブルは業務停止につながる
裏方だけど重要な仕事
見えない仕事:
- トラブルを未然に防ぐ
- システムを安定稼働させる
- セキュリティを守る
見えるのはトラブル時だけ:
- 普段は何もしていないように見える
- でも、トラブル時には頼られる
- 「影の功労者」
温厚で責任感の高い人が多い
情シスの性格傾向:
- 温厚
- 責任感が強い
- 細かいことに気づく
- 冷静
- 学習意欲が高い
なぜこういう性格が向いているか:
- トラブル時に冷静に対処できる
- ユーザーに優しく接する
- 地道な作業を継続できる
学習方法の具体例
1. 実際に手を動かす
やること:
- レンタルサーバーを借りる
- WordPressをインストール
- プラグインを入れてみる
- バックアップを取ってみる
- テスト環境で壊してみる
- 復元してみる
効果:
- 頭で理解するより、体で覚える
- トラブルを経験することで自信がつく
2. 前任者の作業ログを読む
探す場所:
- メールの履歴
- サーバーのログ
- ドキュメント(あれば)
わかること:
- 前任者が何をしていたか
- どんなトラブルがあったか
- どう対処していたか
3. ベンダーに聞く
聞ける相手:
- レンタルサーバー会社のサポート
- プラグイン開発者
- ドメイン管理会社
聞くこと:
- 基本的な操作方法
- トラブル時の対処法
- 推奨設定
4. コミュニティで学ぶ
参加できる場所:
- WordPressフォーラム
- Qiita(技術情報共有サイト)
- Stack Overflow(プログラマー向けQ&A)
効果:
- 同じ悩みを持つ人がいる
- 解決策が見つかる
- 知識が広がる
必要な資格は?
社内情シスに資格は必須ではない
理由:
- 自社のシステムを理解していればOK
- 実務経験の方が重要
- 資格より、トラブル対応力
でも、あると役立つ資格
1. ITパスポート
- IT全般の基礎知識
- 国家資格
- 難易度:低
2. 基本情報技術者
- IT業界の基礎知識
- 国家資格
- 難易度:中
3. LinuC レベル1
- Linuxサーバーの基礎
- サーバー管理の知識
- 難易度:中
資格より大事なこと
実務経験:
- 実際にサーバーを触ったことがある
- トラブルを経験したことがある
- 自分で解決できる
学習意欲:
- わからないことを調べる
- 新しいことを学ぶ
- 継続して勉強する
よくある質問
Q1: プログラミングはできないとダメ? A: 社内情シスなら必須ではない。基本的なHTMLが読めれば十分。
Q2: 数学が苦手でも大丈夫? A: 大丈夫。複雑な計算は不要。論理的思考ができればOK。
Q3: 何歳からでも始められる? A: 始められる。学習意欲があれば年齢は関係ない。
Q4: 独学でも大丈夫? A: 大丈夫。今は生成AIがあるので、学習環境が整っている。
Q5: どれくらいで一人前になれる? A: 半年〜1年で基本的なことは理解できる。でも、学習は一生続く。
トラブルシューティング
問題1: 何から始めていいかわからない
対処法:
- まず、自分でWordPressサイトを立ち上げる
- レンタルサーバーのマニュアルを読む
- 生成AIに聞く
問題2: 専門用語がわからない
対処法:
- 生成AIに「〇〇とは何ですか?」と聞く
- IT用語辞典を見る
- わかるまで質問を重ねる
問題3: 失敗が怖い
対処法:
- テスト環境で練習する
- 自分のサイトで試す
- バックアップを取ってから実行
まとめ:社内情シスは、自社システムを理解して守る仕事
プロの情シスと社内情シスは別物
✅ プロの情シス:大規模インフラを設計・構築 ✅ 社内情シス:自社システムを理解して守る
学習ステップ
- 自分でサイトを立ち上げる
- 何度も繰り返す
- 1つずつ理解を積み上げる
- 生成AIを活用する
必要なスキル
技術スキル:
- サーバー・ネットワークの基礎
- WordPressの知識
- セキュリティの基本
ヒューマンスキル:
- コミュニケーション能力
- 問題解決能力
- 責任感
- 冷静さ
情シスという仕事
- システムの番人
- 裏方だけど重要
- 高価なインフラを扱う責任
- 温厚で責任感の高い人が多い
結論
1度に全ては理解できない。1つずつ積み上げるしかない。
社内情シスは、プロの情シスとは違う。 自社のシステムを理解して、守ることが仕事。
まずは自分でサイトを立ち上げてみてください。 何度も繰り返してください。
困ったときには、生成AIがあなたの学習を手伝ってくれます。
大丈夫、あなたにもできます。
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