サーバーが重いってどういう意味ですか?
答え:サーバーのリソース(CPU、メモリ、ディスク)が限界に近づいている状態。
「サーバーが重い」って言われたけど、何が重いの? ホームページが遅いのとは違うの?
そう思いますよね。
「重い」という言葉は曖昧です。 でも、実際には明確な原因があります。
「重い」の正体
サーバーが重い = リソース不足
サーバーのリソースとは:
1. CPU(処理能力)
- プログラムを実行する頭脳
- 計算処理を行う
- 使用率が高い = 頭がフル回転
2. メモリ(作業スペース)
- 一時的にデータを保存する場所
- 作業机のようなもの
- 不足すると動作が遅くなる
3. ディスクI/O(読み書き速度)
- ファイルの読み書き速度
- データベースへのアクセス
- 遅いと全体が遅くなる
4. ネットワーク(通信速度)
- データの送受信
- アクセスが集中すると遅くなる
「重い」とはどういう状態か
具体例:
正常な状態:
CPU使用率:20%
メモリ使用率:30%
ディスク使用率:10%
→ サーバーは快適に動く
重い状態:
CPU使用率:90%
メモリ使用率:95%
ディスク使用率:80%
→ サーバーが限界に近い
ホームページが重い vs サーバーが重い
ホームページが重い
意味:
- ページの表示が遅い
- 画像の読み込みが遅い
- ユーザーが体感する遅さ
原因:
- 画像サイズが大きい
- JavaScriptが多い
- CSSが複雑
- ネットワーク速度が遅い
影響範囲:
- そのページだけ
サーバーが重い
意味:
- サーバー全体の処理が遅い
- すべてのページに影響
- 管理画面も遅い
原因:
- CPUやメモリの不足
- データベースの肥大化
- アクセス集中
- プラグインの負荷
影響範囲:
- サイト全体
- 場合によっては同じサーバーの他サイトにも影響
なぜサーバーが重くなるのか
原因1: アクセス集中
どういうとき:
- テレビで紹介された
- SNSでバズった
- セールやキャンペーン中
メカニズム:
通常時:
1秒間に10人がアクセス
→ サーバーは余裕で対応
アクセス集中時:
1秒間に1000人がアクセス
→ サーバーが処理しきれない
→ CPU使用率が急上昇
→ 重くなる
原因2: データベースの肥大化
どういうとき:
- 記事数が数千件
- コメントスパムが大量
- リビジョン(記事の履歴)が溜まっている
メカニズム:
データベースが小さいとき:
記事を表示する
→ 0.1秒で検索完了
→ すぐ表示
データベースが肥大化:
記事を表示する
→ 5秒かかる
→ ディスクI/Oが高い
→ 重くなる
原因3: プラグインが多すぎる
どういうとき:
- プラグインを20個以上入れている
- 使っていないプラグインも有効化している
- 重いプラグインを複数使用
メカニズム:
プラグインが少ないとき:
ページを表示
→ 必要な処理だけ実行
→ 0.5秒で完了
プラグインが多いとき:
ページを表示
→ 各プラグインが処理を実行
→ 3秒かかる
→ CPU使用率が上がる
→ 重くなる
原因4: 画像の最適化不足
どういうとき:
- 1枚10MBの画像をそのままアップロード
- 画像圧縮をしていない
- サムネイルも大きい画像を使用
メカニズム:
最適化されている場合:
画像を表示(100KB)
→ 0.2秒で読み込み
最適化されていない場合:
画像を表示(10MB)
→ 5秒かかる
→ ネットワーク帯域を圧迫
→ 重くなる
原因5: キャッシュが効いていない
どういうとき:
- キャッシュプラグインを入れていない
- サーバーのキャッシュ機能をオフにしている
メカニズム:
キャッシュあり:
ページを表示
→ 保存済みのHTMLを返す
→ 0.1秒で完了
キャッシュなし:
ページを表示
→ 毎回データベースから検索
→ 毎回HTMLを生成
→ 2秒かかる
→ CPU・ディスクI/Oが高い
→ 重くなる
確認方法
1. サーバー管理画面で確認
Xserverの場合:
- サーバーパネルにログイン
- 「リソース使用状況」をクリック
- CPU・メモリ・ディスクの使用率を確認
さくらインターネットの場合:
- コントロールパネルにログイン
- 「リソース情報」を確認
確認するポイント:
- CPU使用率:80%以上で要注意
- メモリ使用率:90%以上で要注意
- ディスクI/O:高い状態が続くと要注意
2. WordPressで確認
方法1: Query Monitorプラグイン
- Query Monitorをインストール
- 有効化
- ページを表示
- 画面上部のメニューから確認
わかること:
- ページ生成時間
- データベースクエリの回数
- 遅いクエリの特定
- プラグインの処理時間
方法2: サイトヘルス
- WordPress管理画面
- ツール → サイトヘルス
- 「情報」タブをクリック
わかること:
- サーバーの基本情報
- PHPバージョン
- メモリ上限
3. ユーザー視点で確認
方法:
- 実際にサイトにアクセスしてみる
- ページの表示速度を体感
- 管理画面の動作も確認
判断基準:
- 3秒以内に表示:問題なし
- 3〜5秒:やや遅い(改善推奨)
- 5秒以上:重い(要改善)
解消方法
対処法1: キャッシュを有効化
手順:
- キャッシュプラグインをインストール
– WP Super Cache – W3 Total Cache – LiteSpeed Cache(LiteSpeedサーバーの場合)
- 有効化して基本設定
効果:
- ページ生成時間が1/10に短縮
- CPU使用率が大幅に減少
対処法2: 画像を最適化
手順:
- 画像圧縮プラグインをインストール
– EWWW Image Optimizer – Smush
- 既存の画像を一括最適化
効果:
- 画像サイズが1/5〜1/10に
- ページ表示速度が向上
- ネットワーク負荷が減少
対処法3: 不要なプラグインを削除
手順:
- プラグイン一覧を確認
- 使っていないプラグインを無効化
- 削除
効果:
- CPU使用率が減少
- ページ生成時間が短縮
対処法4: データベースを最適化
手順:
- WP-Optimizeプラグインをインストール
- 有効化
- リビジョンを削除
- スパムコメントを削除
- データベースを最適化
効果:
- データベースサイズが縮小
- クエリ速度が向上
- ディスクI/Oが減少
対処法5: PHPバージョンを更新
手順:
- サーバー管理画面にログイン
- PHP設定を確認
- 最新バージョン(PHP 8.x)に変更
注意:
- テーマやプラグインが対応しているか確認
- バックアップを取ってから実施
効果:
- 処理速度が2〜3倍に向上
- メモリ使用量が減少
対処法6: サーバープランをアップグレード
どういうとき:
- 上記の対処法を全部試したけど重い
- アクセス数が多すぎる
- リソース不足が慢性的
手順:
- サーバー会社のプラン比較を確認
- 上位プランに変更
- または、より高性能なサーバーに移行
費用:
- 月額1000円 → 2000〜3000円程度
予防策
予防策1: 定期的なメンテナンス
やること:
- 月1回、データベースを最適化
- 不要なプラグインを削除
- リビジョンを削除
- 画像を最適化
予防策2: 監視を設定
やること:
- サーバーのリソース使用状況を定期確認
- 異常があればアラート
ツール:
- サーバー管理画面の通知機能
- UptimeRobot(外部監視サービス)
予防策3: キャッシュを常に有効化
やること:
- キャッシュプラグインを常に有効化
- キャッシュの有効期限を適切に設定
予防策4: プラグインは最小限に
やること:
- 本当に必要なプラグインだけ有効化
- 新しいプラグインを入れるときは慎重に
- 定期的に見直し
よくある質問
Q1: サーバーが重いと、どんな影響がある? A: サイトの表示が遅くなる、最悪の場合はサーバーダウンして表示できなくなる。
Q2: 重いのは一時的?それとも慢性的? A: 両方ある。アクセス集中なら一時的、リソース不足なら慢性的。
Q3: 重い状態を放置するとどうなる? A: ユーザーが離れる、SEOに悪影響、サーバー会社から警告が来ることも。
Q4: サーバーが重いのは自分のせい? A: 必ずしもそうではない。アクセス集中や攻撃の可能性もある。
Q5: サーバー会社に相談できる? A: できる。リソース使用状況を伝えて相談すると適切なアドバイスがもらえる。
トラブルシューティング
問題1: 急にサーバーが重くなった
確認すること:
- アクセス数が急増していないか
- 攻撃を受けていないか(ログを確認)
- プラグインを最近追加していないか
対処法:
- アクセスログを確認
- 不審なアクセスがあればIPブロック
- 最近追加したプラグインを無効化
問題2: ずっと重い
確認すること:
- リソース使用率が常に高い
- データベースサイズが大きい
- プラグインが多すぎる
対処法:
- データベース最適化
- 不要なプラグイン削除
- キャッシュ有効化
- サーバープランのアップグレード検討
問題3: 特定の時間帯だけ重い
確認すること:
- アクセスログで時間帯別のアクセス数を確認
- バックアップやcronジョブの実行時間
対処法:
- バックアップ時間を深夜にずらす
- アクセス集中時間帯にキャッシュを強化
まとめ:サーバーが重い = リソース不足
「重い」の正体
✅ CPU使用率が高い ✅ メモリ使用率が高い ✅ ディスクI/Oが高い ✅ ネットワーク帯域を圧迫
主な原因
- アクセス集中
- データベースの肥大化
- プラグインが多すぎる
- 画像の最適化不足
- キャッシュが効いていない
解消方法
- キャッシュを有効化
- 画像を最適化
- 不要なプラグインを削除
- データベースを最適化
- PHPバージョンを更新
- サーバープランをアップグレード
予防策
- 定期的なメンテナンス
- 監視を設定
- キャッシュを常に有効化
- プラグインは最小限に
結論
「重い」は曖昧な言葉だけど、原因は明確。
サーバーが重いと言われたら:
- リソース使用状況を確認
- 原因を特定
- 適切な対処法を実施
まずはキャッシュを有効化してみてください。 多くの場合、これだけで劇的に改善します。
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