レンタルサーバー代をもっと安くできる?
答え:できる。長期契約、決算期狙い、複数サイト集約、サーバー乗り換えで安くなる。
毎月のレンタルサーバー代、もっと安くならない? 削れるコストはないの?
安くする方法、あります。
でも、安ければいいわけじゃない。 サービスレベルが下がると、結果的に高くつきます。
レンタルサーバー代の相場
個人向けレンタルサーバー
格安サーバー:
- 月額100〜500円
- 性能が低い
- サポートが弱い
標準的なサーバー:
- 月額1000〜2000円
- 性能が十分
- サポートが充実
高性能サーバー:
- 月額3000〜5000円
- 高速・大容量
- ビジネス向け
法人向けレンタルサーバー
エントリープラン:
- 月額2000〜3000円
- 複数サイト運用可能
- 電話サポートあり
ビジネスプラン:
- 月額5000〜10000円
- 高速・安定
- 専任サポート
専用サーバー:
- 月額1〜10万円
- サーバー1台占有
- 完全カスタマイズ可能
安くする方法
方法1: 長期契約で安くなる
仕組み:
- 多くのレンタルサーバーは長期契約割引がある
- 契約期間が長いほど、月額が安い
具体例(Xserver スタンダードプラン):
月額契約: 1,320円/月
6ヶ月契約: 1,210円/月(8%オフ)
12ヶ月契約: 1,100円/月(17%オフ)
24ヶ月契約: 1,045円/月(21%オフ)
36ヶ月契約: 990円/月(25%オフ)
年間でどれだけ安くなる?
月額契約: 1,320円 × 12ヶ月 = 15,840円/年
36ヶ月契約: 990円 × 12ヶ月 = 11,880円/年
差額:3,960円/年の節約
ポイント:
- 36ヶ月契約なら3年で約12,000円の節約
- サーバーを変える予定がないなら長期契約がお得
方法2: 決算期を狙って契約する
仕組み:
- サーバー会社も決算期には売上を伸ばしたい
- キャンペーンで大幅割引やキャッシュバック
狙い目の時期:
1. 3月(年度末決算)
- 多くの企業の決算期
- 大型キャンペーンが多い
2. 9月(中間決算)
- 半期決算のタイミング
- キャンペーンあり
3. 年末年始
- ボーナス商戦
- 特別割引
具体例:
通常:初期費用3,300円 + 月額1,100円
キャンペーン:初期費用0円 + 月額990円 + ドメイン1年無料
差額:約5,000円の節約
方法3: 複数サイトを1つのサーバーに集約
仕組み:
- 多くのレンタルサーバーは複数サイト運用可能
- 支店・子会社のサイトを1つのサーバーで管理
例:
Before(分散管理):
本社サイト: Aサーバー 1,100円/月
支店1サイト: Bサーバー 1,100円/月
支店2サイト: Cサーバー 1,100円/月
合計:3,300円/月
After(集約管理):
全サイト:Xserver ビジネスプラン 2,200円/月
(無制限にサイト作成可能)
差額:1,100円/月の節約(年間13,200円)
方法4: サーバー会社を乗り換える
仕組み:
- 他社に乗り換えると、新規契約キャンペーンが使える
- 性能が上がって、価格が下がることも
乗り換え例:
例1: 古いサーバーから最新サーバーへ
旧サーバー(10年前に契約):
- 月額2,200円
- ディスク容量:50GB
- 転送量制限:1TB/月
新サーバー(Xserver スタンダード):
- 月額990円(36ヶ月契約)
- ディスク容量:300GB
- 転送量無制限
差額:1,210円/月の節約(年間14,520円)
性能アップもする
例2: 海外サーバーから国内サーバーへ
海外サーバー:
- 月額500円(安い!)
- でも、サポートが英語のみ
- トラブル対応に時間がかかる
国内サーバー(さくらインターネット スタンダード):
- 月額524円
- 日本語サポート
- トラブル時も安心
差額:ほぼ同じ価格で、サポートが充実
方法5: 不要なオプションを解約
見直すべきオプション:
1. 独自SSL(Let’s Encrypt無料版で十分)
有料SSL:年間5,000円
無料SSL(Let's Encrypt):0円
差額:5,000円/年の節約
ほとんどの場合、無料SSLで十分。
2. 自動バックアップオプション(プラグインで代用)
サーバーの自動バックアップ:月額300円
UpdraftPlusプラグイン:無料
差額:3,600円/年の節約
プラグインで十分な場合が多い。
3. 使っていないドメイン
ドメイン維持費:1,500円/年 × 5個 = 7,500円/年
使っていないドメインを3個削除:
差額:4,500円/年の節約
方法6: プランを見直す
現在のリソース使用状況を確認:
確認項目:
- ディスク使用量
- 転送量
- データベース数
- メールアカウント数
見直し例:
現在:ビジネスプラン(月額4,400円)
- ディスク容量:500GB
- 実際の使用量:30GB(6%しか使っていない)
見直し:スタンダードプラン(月額1,100円)
- ディスク容量:300GB
- 十分に余裕がある
差額:3,300円/月の節約(年間39,600円)
避けるべき節約方法
NG1: 海外サーバーの使用
なぜダメなのか:
理由1: サポートが弱い
- 英語のみ
- 時差がある(回答が遅い)
- トラブル時に困る
理由2: 表示速度が遅い
- サーバーが海外にあると、日本からのアクセスが遅い
- SEOにも悪影響
理由3: 法的リスク
- データ保護法が日本と異なる
- 個人情報の扱いに問題が出る可能性
例:
海外サーバー:月額300円
→ トラブル発生
→ サポートが英語で理解できない
→ 復旧に3日かかる
→ 機会損失:数十万円
結果:安物買いの銭失い
NG2: 国内の格安サーバー(個人向け)
なぜダメなのか:
理由1: サポートが弱い
- メールのみ(電話サポートなし)
- 回答が遅い(2〜3日)
- 技術的な質問に答えられない
理由2: 性能が低い
- 同じサーバーに大量のサイトが詰め込まれている
- 夜間や休日に遅くなる
- サーバーダウンが多い
理由3: セキュリティが弱い
- 自動バックアップなし
- WAF(Webアプリケーションファイアウォール)なし
- SSL証明書が有料
例:
格安サーバー:月額200円
→ サイトが遅い
→ 顧客が離れる
→ 売上減少:月10万円
結果:コスト削減のつもりが、売上減少
NG3: 無料サーバー
なぜダメなのか:
理由1: 広告が表示される
- 勝手に広告が表示される
- ブランドイメージが悪化
理由2: サポートなし
- トラブルは自己責任
- 復旧できない可能性
理由3: 突然サービス終了
- 予告なくサービス終了
- データが消える
ビジネス利用には絶対NG。
サーバー乗り換えの手順
ステップ1: 現在の契約を確認
確認すること:
- 契約プラン
- 月額料金
- 契約期間(いつまで?)
- 解約料の有無
ステップ2: 新しいサーバーを選ぶ
選ぶ基準:
- 価格
- 性能(現在のサーバーより上)
- サポート体制
- 口コミ・評判
おすすめサーバー:
- Xserver(高速・安定・サポート充実)
- さくらインターネット(老舗・安心)
- ConoHa WING(高速・初心者向け)
ステップ3: データを移行
移行手順:
- 新サーバーを契約
- 旧サーバーからバックアップ
- 新サーバーにデータを復元
- 動作確認
- DNSを切り替え
- 旧サーバーを解約
注意:
- 移行作業は慎重に
- 不安ならサーバー会社の移行サービスを利用(有料だが確実)
ステップ4: 旧サーバーを解約
解約前の確認:
- 新サーバーで正常に動いているか
- メールも正常に送受信できるか
- DNS切り替えが完了しているか
解約タイミング:
- 新サーバーで1ヶ月程度運用してから解約
- 問題がないことを確認してから
よくある質問
Q1: 長期契約して、途中で解約できる? A: できる。ただし、残りの期間分の返金はないことが多い。契約前に確認を。
Q2: サーバー乗り換えは難しい? A: WordPressなら、プラグインで簡単に移行できる。不安なら移行代行サービスを利用。
Q3: 決算期のキャンペーンはいつ確認すればいい? A: 各社のWebサイトやメルマガで告知される。3月・9月は要チェック。
Q4: 複数サイトを1つのサーバーにまとめて、遅くならない? A: ビジネスプラン以上なら問題なし。アクセス数が多いなら上位プランを。
Q5: 海外サーバーは本当にダメ? A: ビジネス利用なら避けるべき。サポートが弱く、トラブル時に困る。
トラブルシューティング
問題1: 長期契約したけど、やっぱり変えたい
対処法:
- 残りの期間を諦める
- または、両方契約して徐々に移行
- 次回更新時に乗り換えを検討
問題2: サーバー乗り換え後、メールが届かない
原因:
- DNS設定が間違っている
- MXレコードの設定ミス
対処法:
- DNS設定を確認
- MXレコードを正しく設定
- 24〜48時間待つ(DNS反映に時間がかかる)
問題3: 乗り換えたけど、遅くなった
原因:
- キャッシュが効いていない
- プラグインの設定が移行されていない
対処法:
- キャッシュプラグインを再設定
- サーバーのキャッシュ機能を有効化
- 画像最適化を実施
まとめ:コスト削減のポイント
安くする方法
- 長期契約
– 36ヶ月契約で最大25%オフ
- 決算期狙い
– 3月・9月のキャンペーンを活用
- 複数サイト集約
– 1つのサーバーで複数サイト管理
- サーバー乗り換え
– 新規契約キャンペーンを活用
- 不要なオプション解約
– 有料SSL → 無料SSL – 有料バックアップ → プラグイン
- プラン見直し
– 使用状況に応じて最適プランに
避けるべき節約方法
❌ 海外サーバー ❌ 格安サーバー(個人向け) ❌ 無料サーバー
理由:
- サポートが弱い
- 性能が低い
- トラブル時に困る
- 結果的に高くつく
節約の目安
長期契約: 年間 4,000円の節約
決算期キャンペーン:初回 5,000円の節約
複数サイト集約: 年間 13,000円の節約
不要オプション解約:年間 10,000円の節約
合計:年間約30,000円の節約可能
結論
レンタルサーバー代は安くできる。でも、安ければいいわけじゃない。
安くする方法:
- 長期契約
- 決算期狙い
- 複数サイト集約
- サーバー乗り換え
- オプション見直し
避けるべき:
- 海外サーバー
- 格安サーバー(個人向け)
- 無料サーバー
サポートレベルが下がると、結果的にコストは高くなる。
適切なサーバーを選んで、賢く節約しましょう。
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