定期的にバックアップを確認する方法は?

Q: バックアップが正常に取れているか、どうやって確認しますか?
A: 月1回、バックアップファイルの存在と日付を確認します。3ヶ月に1回、復元テストを実施します。
まず、例え話で説明します
バックアップの確認は、消火器の点検と同じです。
消火器を買って放置:
- ❌ 悪い例:10年間、一度も確認しない
- 火事の時に使おうとする
- 圧力が抜けていて使えない
- 火事が消せない
消火器を定期点検:
- ✅ 良い例:年1回、圧力を確認
- 火事の時に確実に使える
- 安心して生活できる
バックアップも同じです。取るだけでは不十分。定期的に確認して、いざという時に使えるか確かめる必要があります。
なぜバックアップの確認が必要なのか
理由1:バックアップが失敗していることがある
よくある失敗:
- ストレージ容量不足
- プラグインのエラー
- サーバーの権限設定ミス
問題: 失敗に気づかず、数ヶ月経過。いざという時にバックアップがない。
理由2:バックアップファイルが壊れていることがある
原因:
- バックアップ中にサーバーエラー
- ファイル転送中のネットワーク障害
- ストレージの故障
問題: ファイルはあるが、復元できない。
理由3:復元方法を忘れる
よくあるケース:
- バックアップは1年前に設定
- 復元方法を忘れている
- トラブル時に慌てて調べる
- 復元に失敗する
対策: 定期的に復元テストをして、手順を確認。
バックアップ確認の2つの方法
方法1:バックアップファイルの存在確認(月1回)
やること:
- バックアップファイルが存在するか
- 最新の日付か
- ファイルサイズが0でないか
所要時間: 3分 難易度: 簡単
方法2:復元テスト(3ヶ月に1回)
やること: 実際にバックアップから復元して、正常に動くか確認。
所要時間: 30分 難易度: 普通
バックアップファイルの存在確認(月1回)
ステップ1:UpdraftPlusの管理画面を開く
- WordPress管理画面にログイン
- 「設定」→「UpdraftPlus Backups」
- 「既存のバックアップ」タブを開く
所要時間: 1分 難易度: 簡単
ステップ2:最新のバックアップ日時を確認
確認ポイント:
- 最新のバックアップ日時が、設定したスケジュール通りか
例:
- 設定:毎日バックアップ
- 確認:最新のバックアップが昨日の日付
問題がある場合:
- バックアップが数日前で止まっている
- バックアップが実行されていない
→ 原因を調査(ストレージ容量、プラグインエラーなど)
所要時間: 1分 難易度: 簡単
ステップ3:ファイルサイズを確認
確認ポイント:
- ファイルサイズが0MBまたは異常に小さくないか
正常なサイズ:
- ファイル:500MB〜2GB
- データベース:10MB〜100MB
異常なサイズ:
- ファイル:0MB、10MB以下
- データベース:0MB、1MB以下
→ バックアップが正常に完了していない可能性
所要時間: 1分 難易度: 簡単
復元テスト(3ヶ月に1回)
ステップ1:テスト環境を用意
方法1:レンタルサーバーのテスト環境機能を使う
- エックスサーバーの場合:「動作確認URL」機能
- さくらサーバーの場合:「ステージング環境」機能
方法2:ローカル環境を構築
- Local by Flywheel(無料)
- XAMPP(無料)
おすすめ: レンタルサーバーのテスト環境機能(設定が簡単)
所要時間: 10分(初回のみ) 難易度: 普通
ステップ2:バックアップをダウンロード
- UpdraftPlusの「既存のバックアップ」を開く
- 最新のバックアップの「復元」ボタンをクリック
- すべてのファイルにチェック
- 「復元」をクリック
所要時間: 10分 難易度: 簡単
ステップ3:復元を実行
- UpdraftPlusが自動で復元を開始
- 完了まで待つ(5分〜15分)
- 「復元完了」メッセージを確認
所要時間: 15分 難易度: 簡単
ステップ4:動作確認
確認ポイント:
- トップページが表示されるか
- 記事が表示されるか
- 画像が表示されるか
- お問い合わせフォームが動くか
- 管理画面にログインできるか
所要時間: 5分 難易度: 簡単
問題がある場合:
- バックアップファイルが壊れている
- 復元手順が間違っている
→ 別の世代のバックアップで再テスト
Google Driveのバックアップ確認
ステップ1:Google Driveを開く
- https://drive.google.com/ にアクセス
- ログイン
- 「UpdraftPlus」フォルダを開く
所要時間: 1分 難易度: 簡単
ステップ2:バックアップファイルの存在を確認
確認ポイント:
- 最新のバックアップファイルがあるか
- 日付が正しいか
- ファイルサイズが0でないか
所要時間: 1分 難易度: 簡単
ステップ3:古いバックアップの削除を確認
確認ポイント:
- 設定した世代数を超えた古いファイルが削除されているか
例:
- 設定:7世代保持
- 確認:8個目以降のファイルが削除されている
所要時間: 1分 難易度: 簡単
バックアップ確認のチェックリスト
月1回の確認(所要時間:3分)
□ UpdraftPlusの管理画面を開く
□ 最新のバックアップ日時を確認
□ ファイルサイズを確認(0MBでないか)
□ Google Driveにファイルがあるか確認
□ 古いバックアップが削除されているか確認
3ヶ月に1回の確認(所要時間:30分)
□ テスト環境を用意
□ バックアップをダウンロード
□ 復元を実行
□ トップページが表示されるか確認
□ 記事が表示されるか確認
□ 画像が表示されるか確認
□ お問い合わせフォームが動くか確認
□ 管理画面にログインできるか確認
トラブルシューティング
トラブル1:バックアップが失敗している
原因:
- ストレージ容量不足
- プラグインのエラー
- サーバーの権限設定ミス
対処法:
- Google Driveの容量を確認
- UpdraftPlusのエラーログを確認
- サーバーの権限設定を確認
トラブル2:復元に失敗する
原因:
- バックアップファイルが壊れている
- PHP のメモリ不足
- タイムアウト
対処法:
- 別の世代のバックアップで再テスト
- PHPのメモリ上限を増やす(512MB以上推奨)
- タイムアウト時間を延ばす(300秒以上推奨)
トラブル3:画像が表示されない
原因:
- ファイルのバックアップが不完全
- パーミッション設定ミス
対処法:
- ファイルのバックアップサイズを確認
- wp-content/uploads フォルダのパーミッションを確認(755または775)
良い例・悪い例
❌ 悪い例
バックアップを設定して放置
→ 1年間、一度も確認しない
→ トラブル発生
→ バックアップが失敗していた
→ 復元できない
✅ 良い例
月1回、バックアップの存在を確認
3ヶ月に1回、復元テストを実施
→ トラブル発生
→ 最新のバックアップで復元
→ 30分でサイトが復旧
まとめ
結論:月1回、バックアップファイルの存在を確認。3ヶ月に1回、復元テストを実施します。
月1回の確認(所要時間:3分):
- 最新のバックアップ日時を確認
- ファイルサイズを確認
- Google Driveにファイルがあるか確認
3ヶ月に1回の確認(所要時間:30分):
- テスト環境で復元テスト
- 動作確認
最初の一歩: まずは今日、UpdraftPlusの管理画面を開いて、最新のバックアップ日時とファイルサイズを確認しましょう。次に、カレンダーに「月1回のバックアップ確認」と「3ヶ月に1回の復元テスト」を登録してください。これだけで、いざという時に確実にバックアップから復元できます。
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