システムが「落ちる」ってどういう意味ですか?

Q: 「システムが落ちた」と聞きますが、どういう意味ですか?
A: サーバーが停止して、サイトやサービスが使えなくなることです。
まず、例え話で説明します
システムが「落ちる」は、お店が臨時休業と同じです。
お店が臨時休業:
- ドアが閉まっている
- お客様が入れない
- 買い物ができない
- 原因:停電、機械故障、など
システムが落ちる:
- サイトが表示されない
- ユーザーがアクセスできない
- サービスが使えない
- 原因:サーバー故障、過負荷、など
「落ちる」とは
落ちる=サーバーが停止すること
具体的には:
- サイトにアクセスできない
- 「ページが見つかりません」エラー
- 「サーバーに接続できません」エラー
影響:
- ユーザーが困る
- ビジネスが止まる
- 売上が減る
システムが落ちる原因
原因1:サーバーの過負荷(50%)
過負荷=アクセスが多すぎてサーバーが処理しきれない
よくあるケース:
- テレビで紹介される
- SNSでバズる
- セール開始直後
参考データ:
- 通常:1秒に10アクセス
- バズった時:1秒に1,000アクセス(100倍)
結果: サーバーが処理しきれず、停止。
原因2:ソフトウェアのバグ(20%)
バグ=プログラムの不具合
よくあるケース:
- プラグインの更新後
- WordPressの更新後
- カスタマイズ後
症状:
- 白い画面(White Screen of Death)
- 500エラー
原因3:ハードウェアの故障(15%)
よくある故障:
- ハードディスクの故障
- メモリの故障
- 電源ユニットの故障
参考データ:
- ハードディスクの寿命:3年〜5年
- 故障率:年間3%〜5%
原因4:ネットワーク障害(10%)
よくあるケース:
- プロバイダーの障害
- DDoS攻撃
- ケーブルの断線
原因5:人為的ミス(5%)
よくあるケース:
- 設定ミス
- 誤ってファイルを削除
- 誤ってサーバーを再起動
システムが落ちたときの影響
影響1:ビジネスへの損失
参考データ(ECサイトの場合):
- 1時間ダウン:売上損失10万円〜100万円
- 1日ダウン:売上損失200万円〜2,000万円
業種による違い:
- ECサイト:大きな損失
- 企業サイト:中程度の損失
- 個人ブログ:小さな損失
影響2:信頼の喪失
ユーザーの反応:
- 「このサイトは信頼できない」
- 「また落ちるかもしれない」
- 「別のサイトを使おう」
長期的影響: 顧客離れ、売上減少。
影響3:SEO順位の低下
Googleの評価:
- 頻繁にダウンするサイト:評価が下がる
- 検索順位が下がる
参考データ:
- 1日ダウン:検索順位が5位〜10位下がる可能性
システムが落ちたときの対処法
ステップ1:状況確認
確認すること:
- サイトにアクセスできるか
- エラーメッセージの内容
- サーバーの管理画面にログインできるか
所要時間: 3分 難易度: 簡単
ステップ2:原因の特定
確認ポイント:
- サーバーのログを確認
- アクセス数を確認(過負荷か?)
- 最近の変更を確認(プラグイン更新、カスタマイズなど)
所要時間: 10分 難易度: 普通
ステップ3:復旧作業
原因別の対処法:
過負荷の場合:
- サーバーを再起動
- プランをアップグレード(CPU、メモリを増やす)
バグの場合:
- プラグインを無効化
- バックアップから復元
ハードウェア故障の場合:
- サーバー会社に連絡
- バックアップから別のサーバーに移行
所要時間: 30分〜数時間 難易度: 普通〜難しい
システムダウンを防ぐ方法
対策1:サーバーのスペックを上げる
やること: アクセス数に見合ったプランを選ぶ。
目安:
- 月間1万PV:共用サーバー(月1,000円)
- 月間10万PV:VPS(月2,000円〜)
- 月間100万PV:専用サーバー(月10,000円〜)
対策2:CDNを導入
CDN=Content Delivery Network(コンテンツ配信ネットワーク)
メリット:
- サーバーの負荷を分散
- 表示速度が速くなる
- ダウンしにくい
おすすめ:
- Cloudflare(無料プランあり)
所要時間: 1時間(初回設定) 難易度: 普通
対策3:監視サービスを導入
やること: サイトがダウンしたら、すぐに通知が来るように設定。
おすすめサービス:
- UptimeRobot(無料)
- Pingdom(有料)
メリット: ダウンにすぐ気づける。
所要時間: 10分(初回設定) 難易度: 簡単
対策4:定期的にバックアップ
やること:
- 頻度:毎日
- 保存先:Google Drive、Dropbox
- 世代数:7世代
メリット: ダウンしても、すぐに復旧できる。
所要時間: 30分(初回設定) 難易度: 普通
ダウンタイムの許容範囲
稼働率とダウンタイム
稼働率 | 年間ダウンタイム |
---|---|
99% | 3日15時間 |
99.9% | 8時間45分 |
99.99% | 52分 |
99.999% | 5分 |
一般的なサービス:
- 共用レンタルサーバー:99%〜99.9%
- VPS・専用サーバー:99.9%〜99.99%
- クラウド(AWS、Google Cloud):99.99%〜99.999%
良い例・悪い例
❌ 悪い例
システムがダウン
原因不明
復旧に3日かかる
バックアップなし
→ サイトを再構築
→ 売上損失600万円
✅ 良い例
システムがダウン
監視サービスで5分以内に検知
バックアップから復元
30分で復旧
→ 売上損失5万円
まとめ
結論:「落ちる」とは、サーバーが停止してサイトが使えなくなることです。
主な原因:
- サーバーの過負荷(50%)
- ソフトウェアのバグ(20%)
- ハードウェアの故障(15%)
- ネットワーク障害(10%)
- 人為的ミス(5%)
影響:
- ビジネスへの損失(1時間:10万円〜100万円)
- 信頼の喪失
- SEO順位の低下
防ぐ方法:
- サーバーのスペックを上げる
- CDNを導入
- 監視サービスを導入
- 定期的にバックアップ
最初の一歩: まずは監視サービス(UptimeRobot)を導入しましょう。無料で、サイトがダウンしたらメールで通知してくれます。ダウンにすぐ気づけば、被害を最小化できます。
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