スパムメールは誰が何のために送っているんですか?

Q: スパムメールは、誰が何のために送っているんですか?
A: 詐欺グループが金銭目的で送信しています。全メールの45%がスパムです。
まず、例え話で説明します
スパムメールは、街頭での押し売りと同じです。
街頭での押し売り:
- 「今だけ特別価格!」
- 「あなただけに教えます!」
- ほとんどが詐欺
- 目的:お金を騙し取る
スパムメール:
- 「未払い金があります!」
- 「アカウントが停止されます!」
- ほとんどが詐欺
- 目的:お金を騙し取る、個人情報を盗む
誰が送っているのか
送信者1:詐欺グループ(80%)
組織的な犯罪:
- 国際的な詐欺グループ
- 複数人で役割分担
- 拠点は海外(主に中国、ロシア、東欧)
参考データ:
- スパムメールの80%は、組織的な詐欺グループが送信
送信者2:マルウェアに感染したパソコン(15%)
ボットネット:
- マルウェアに感染したパソコンが、勝手にスパムメールを送信
- 所有者は気づいていない
参考データ:
- 世界中で数百万台のパソコンがボットネットに参加
送信者3:悪質な業者(5%)
やっていること:
- 無差別に広告メールを送信
- 法律違反(特定電子メール法)
何のために送っているのか
目的1:金銭を騙し取る(50%)
よくあるスパムメール:
- 「未払い金があります。すぐに振り込んでください」
- 「当選しました。手数料を払ってください」
- 「投資で儲かります。今すぐ登録してください」
手法:
- 不安を煽る
- 急がせる(今すぐ!)
- お金を振り込ませる
被害額:
- 1件あたり:10万円〜100万円
- 年間被害総額:数百億円
目的2:個人情報を盗む(30%)
フィッシング詐欺:
- 「アカウントが停止されます。ログインしてください」
- 偽のログインページに誘導
- ID・パスワードを入力させる
- 個人情報を盗む
盗まれた情報の使い道:
- ネットショッピングで不正利用
- 銀行口座から送金
- 他のサイトへの不正ログイン
参考データ:
- フィッシング被害報告:年間10万件以上
目的3:マルウェアを配布する(15%)
やっていること:
- 「請求書.zip」などの添付ファイル
- クリックするとマルウェアに感染
- パソコンが乗っ取られる
マルウェアの種類:
- ランサムウェア(データを暗号化して身代金を要求)
- スパイウェア(パスワードを盗む)
- ボット(スパムメールの送信に利用される)
目的4:広告収入を得る(5%)
やっていること:
- 「すぐに痩せる!」などの広告
- リンクをクリックさせる
- アフィリエイト収入を得る
なぜこんなに多いのか
理由1:コストがほぼゼロ
メール送信のコスト:
- 1通あたり:0.001円以下
- 100万通送っても:1,000円以下
騙されるのは0.01%でも:
- 100万通送信
- 100人が騙される
- 1人10万円 × 100人 = 1,000万円
- 費用1,000円で1,000万円稼げる
割に合うビジネスです(犯罪者にとって)。
理由2:捕まりにくい
理由:
- 海外から送信
- 匿名性が高い(仮想通貨で支払い)
- 国際的な捜査が必要
参考データ:
- スパムメール送信者の逮捕率:1%以下
理由3:自動化されている
ボット(自動プログラム):
- メールアドレスを自動で収集
- スパムメールを自動で送信
- 人間の手間がほぼゼロ
スパムメールの見分け方
特徴1:送信元が怪しい
よくあるパターン:
- 送信元:info@examp1e.com(数字の1)
- 本物:info@example.com
確認方法: 送信元のメールアドレスをよく見る。
特徴2:日本語が不自然
よくあるパターン:
- 「あなたのアカウントは停止されました」
- 「すぐに確認してください」
- 機械翻訳のような不自然な日本語
特徴3:URLが怪しい
よくあるパターン:
- リンク先:http://amazon-login.xyz
- 本物:https://www.amazon.co.jp
確認方法: リンクにマウスを乗せると、実際のURLが表示される。
特徴4:添付ファイルがある
よくあるパターン:
- 請求書.zip
- 重要.exe
対処法: 知らない送信元の添付ファイルは開かない。
スパムメールへの対処法
対処1:無視して削除
やること: 開かずに削除。
絶対にしないこと:
- 返信する
- 「配信停止」をクリックする
- 添付ファイルを開く
対処2:メールフィルタを使う
Gmail、Outlook、Yahoo!メールには標準搭載:
- 自動でスパムメールを判定
- 迷惑メールフォルダに移動
効果: 99%のスパムメールを自動削除できます。
所要時間: 0分(最初から有効) 難易度: 簡単
対処3:送信元をブロック
やること:
- スパムメールを開く
- 「送信元をブロック」または「迷惑メールとして報告」
- 以後、同じ送信元からのメールは自動削除
所要時間: 10秒 難易度: 簡単
良い例・悪い例
❌ 悪い例
スパムメールの「配信停止」をクリック
→ メールアドレスが有効だと確認される
→ スパムメールが10倍に増える
→ フィッシング詐欺のリンクをクリック
→ パスワードを入力
→ 個人情報が盗まれる
✅ 良い例
スパムメールは即削除
メールフィルタで自動削除
送信元をブロック
→ スパムメールが最小限
→ 安全にメールを使用
まとめ
結論:詐欺グループが金銭目的で送信しています。全メールの45%がスパムです。
誰が送っているか:
- 詐欺グループ(80%)
- マルウェアに感染したパソコン(15%)
- 悪質な業者(5%)
何のために送っているか:
- 金銭を騙し取る(50%)
- 個人情報を盗む(30%)
- マルウェアを配布する(15%)
- 広告収入を得る(5%)
なぜこんなに多いか:
- コストがほぼゼロ
- 捕まりにくい
- 自動化されている
対処法:
- 無視して削除
- メールフィルタを使う
- 送信元をブロック
最初の一歩: スパムメールは開かずに削除しましょう。「配信停止」もクリックしないでください。メールフィルタを使えば、99%のスパムメールを自動削除できます。
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