バックアップは何世代残せばいいですか?

Q: バックアップは何世代(何個)残せばいいですか?
A: 最低3世代、できれば7世代残します。古いバックアップが必要になることがあります。
まず、例え話で説明します
バックアップの世代管理は、病院のカルテ保管と同じです。
カルテを1枚だけ保管:
- ❌ 悪い例:今日のカルテだけ残す
- 昨日の症状がわからない
- 病気の進行が追えない
- 誤診のリスクが高い
カルテを複数保管:
- ✅ 良い例:過去7日分のカルテを残す
- 症状の変化がわかる
- 正確な診断ができる
- 過去と比較できる
WordPressのバックアップも同じです。複数世代残しておけば、「いつの時点に戻すか」選べます。
なぜ複数世代必要なのか
理由1:最新のバックアップが壊れていることがある
よくあるケース:
- 今日、プラグインを更新
- サイトが壊れる
- 今日のバックアップを取る
- 今日のバックアップは壊れた状態
対策: 昨日または3日前のバックアップがあれば、正常な状態に戻せます。
理由2:問題の発見が遅れることがある
例:
- 2週間前にハッキング被害
- 気づかずに運営
- 今日、異変に気づく
- 最新のバックアップは、すでに感染済み
対策: 2週間前または1ヶ月前のバックアップがあれば、被害前の状態に戻せます。
理由3:間違って削除した記事を復活できる
例:
- 1週間前に記事を削除
- 今日、その記事が必要になる
- 最新のバックアップには、その記事がない
対策: 1週間前のバックアップがあれば、削除した記事を復活できます。
推奨される世代数
最低限:3世代
構成:
- 今日
- 3日前
- 1週間前
メリット:
- 直近のトラブルに対応できる
- ストレージ容量が少なくて済む
デメリット:
- 古いトラブルには対応できない
おすすめ対象: 小規模サイト、個人ブログ
推奨:7世代
構成:
- 今日
- 1日前
- 2日前
- 3日前
- 1週間前
- 2週間前
- 1ヶ月前
メリット:
- ほとんどのトラブルに対応できる
- 間違って削除したファイルを復活できる
デメリット:
- ストレージ容量が多少必要(7GB〜)
おすすめ対象: 企業サイト、WordPressサイト
理想:30世代
構成:
- 毎日:過去7日分
- 毎週:過去4週分
- 毎月:過去12ヶ月分
メリット:
- あらゆるトラブルに対応できる
- 長期間遡って復元できる
デメリット:
- ストレージ容量が多く必要(30GB〜)
おすすめ対象: ECサイト、会員制サイト、大規模サイト
世代管理の設定方法
ステップ1:バックアッププラグインを導入
おすすめプラグイン:UpdraftPlus
- WordPress管理画面にログイン
- 「プラグイン」→「新規追加」
- 「UpdraftPlus」を検索してインストール
- 有効化
所要時間: 5分 難易度: 簡単
ステップ2:バックアップスケジュールを設定
- UpdraftPlusの「設定」を開く
- バックアップスケジュールを選択
推奨設定:
- ファイル:毎週(7世代保持)
- データベース:毎日(7世代保持)
- 「変更を保存」をクリック
所要時間: 5分 難易度: 簡単
ステップ3:保存世代数を設定
- 「保存するバックアップ数」を設定
– ファイル:7 – データベース:7
- 「変更を保存」をクリック
所要時間: 1分 難易度: 簡単
注意: 古いバックアップは自動で削除されます。世代数を超えると、最も古いものから消えます。
ストレージ容量の計算
バックアップ1世代あたりの容量
WordPressサイトの平均サイズ:
- ファイル:500MB〜2GB
- データベース:10MB〜100MB
合計:約1GB(1世代)
必要なストレージ容量
3世代の場合: 1GB × 3世代 = 3GB
7世代の場合: 1GB × 7世代 = 7GB
30世代の場合: 1GB × 30世代 = 30GB
ストレージ容量の確保
Google Drive:
- 無料:15GB(7世代まで)
- 有料:100GB(月250円)
Dropbox:
- 無料:2GB(2世代まで)
- 有料:2TB(月1,200円)
外付けHDD:
- 1TB:7,000円〜10,000円(買い切り)
おすすめ: Google Drive(100GB、月250円)
世代管理の運用ルール
ルール1:定期的に確認する
やること: 月1回、バックアップが正常に取れているか確認。
確認方法:
- UpdraftPlusの「既存のバックアップ」を開く
- 最新のバックアップの日付を確認
- ファイルサイズが0でないか確認
所要時間: 3分 難易度: 簡単
ルール2:重要な変更前は手動バックアップ
やること: プラグイン更新、テーマ変更など、重要な変更の前に手動バックアップ。
手順:
- UpdraftPlusの「今すぐバックアップ」をクリック
- 完了を確認
所要時間: 5分 難易度: 簡単
ルール3:復元テストを実施
やること: 3ヶ月に1回、テスト環境でバックアップから復元してみる。
理由: バックアップがあっても、復元できなければ意味がありません。
所要時間: 30分 難易度: 普通
良い例・悪い例
❌ 悪い例
バックアップは最新の1世代だけ
→ 最新のバックアップが壊れている
→ 復元できない
→ サイトが復旧できない
✅ 良い例
バックアップは7世代保持
→ 最新のバックアップが壊れている
→ 3日前のバックアップで復元
→ 30分でサイトが復旧
まとめ
結論:最低3世代、できれば7世代残します。
推奨世代数:
- 最低限:3世代(小規模サイト)
- 推奨:7世代(企業サイト、WordPressサイト)
- 理想:30世代(ECサイト、大規模サイト)
必要なストレージ容量:
- 3世代:3GB
- 7世代:7GB
- 30世代:30GB
おすすめ保管場所: Google Drive(100GB、月250円)
最初の一歩: まずはUpdraftPlusで7世代のバックアップを設定しましょう。これだけで、ほとんどのトラブルに対応できます。
次に読むべき記事:
サーバー管理のプロだけど質問ある? いまさら聞けない質問の答えがここにある|svadmin.net