バックアップデータはどこに保管しますか?

Q: バックアップデータは、どこに保管すれば安全ですか?
A: サーバーとは別の場所に保管します。Google DriveかDropboxが最適です。
まず、例え話で説明します
バックアップの保管場所は、火災保険の保険証のようなものです。
保険証を家に保管する:
- ❌ 悪い例:保険証も家の中に置く
- 火事で家が燃えたら、保険証も燃える
- 保険金が請求できない
保険証を別の場所に保管する:
- ✅ 良い例:保険証は銀行の貸金庫に置く
- 火事で家が燃えても、保険証は無事
- すぐに保険金を請求できる
WordPressのバックアップも同じです。サーバーが壊れたとき、バックアップまでサーバーにあったら意味がありません。
なぜサーバーとは別の場所に保管するのか
理由1:サーバー障害に備える
サーバーが壊れると、サーバー内のバックアップも消えます。
実際に起こること:
- ハードディスク故障
- サーバー会社の障害
- ハッキング被害
これらが起きても、バックアップが別の場所にあれば復旧できます。
理由2:誤操作に備える
人間はミスをします。
よくあるミス:
- ファイルを間違って削除
- データベースを誤って上書き
- プラグイン更新後にサイトが壊れる
サーバーとは別の場所にバックアップがあれば、すぐに元に戻せます。
理由3:ハッキング被害に備える
ハッカーがサーバーに侵入すると、サーバー内のバックアップも削除されることがあります。
別の場所にあれば:
- ハッカーが触れない
- 確実に復元できる
おすすめの保管場所
1位:Google Drive
おすすめ理由:
- 無料で15GBまで使える
- WordPressプラグイン(UpdraftPlus)が対応
- 自動バックアップが簡単
料金:
- 無料:15GB
- 有料:100GB(月250円)、2TB(月1,300円)
所要時間: 初回設定30分 難易度: 簡単
2位:Dropbox
おすすめ理由:
- WordPressプラグインが対応
- ファイル共有が簡単
- 自動同期が速い
料金:
- 無料:2GB
- 有料:2TB(月1,200円)
所要時間: 初回設定30分 難易度: 簡単
3位:外付けハードディスク(サブ用)
おすすめ理由:
- 買い切りで追加費用なし
- 大容量(1TB〜)
- インターネット不要
注意点: 外付けHDDだけでは不十分です。クラウドと併用してください。
理由:
- HDDも故障する
- 火災・盗難に弱い
料金: 1TB:7,000円〜10,000円 所要時間: 初回設定10分 難易度: 簡単
おすすめしない保管場所
❌ サーバー内だけ
サーバーが壊れたら、バックアップも消えます。
❌ 自分のパソコンだけ
パソコンが壊れたら、バックアップも消えます。
❌ 無料のファイル転送サービス(GigaFileなど)
一定期間で自動削除されます。長期保管には向きません。
バックアップの保管方法
ステップ1:バックアッププラグインを導入
- WordPress管理画面にログイン
- 「プラグイン」→「新規追加」
- 「UpdraftPlus」を検索してインストール
- 有効化
所要時間: 5分 難易度: 簡単
ステップ2:Google Driveに接続
- UpdraftPlusの「設定」を開く
- 「Google Drive」を選択
- 「Googleアカウントで認証」をクリック
- 許可する
所要時間: 5分 難易度: 簡単
ステップ3:自動バックアップを設定
- バックアップスケジュールを設定
– ファイル:毎週 – データベース:毎日
- 保存世代数を設定:最低3世代
- 「変更を保存」をクリック
所要時間: 5分 難易度: 簡単
ステップ4:手動バックアップでテスト
- 「今すぐバックアップ」をクリック
- Google Driveにファイルが保存されるか確認
- バックアップファイルをダウンロードして中身を確認
所要時間: 10分 難易度: 普通
保管のルール
ルール1:3-2-1ルール
3-2-1ルールとは:
- 3つのコピーを保管(本番、バックアップ1、バックアップ2)
- 2種類のメディアに保存(クラウド、外付けHDD)
- 1つは遠隔地に保管(クラウドストレージ)
例:
- 本番サーバー:1つ
- Google Drive:1つ
- 外付けHDD:1つ
ルール2:世代管理
世代管理とは: 古いバックアップも残しておくこと。
理由: 最新のバックアップが壊れていることがあるため。
推奨: 最低3世代、できれば5世代残す。
例:
- 今日のバックアップ
- 3日前のバックアップ
- 1週間前のバックアップ
- 2週間前のバックアップ
- 1ヶ月前のバックアップ
ルール3:定期的な復元テスト
バックアップがあっても、復元できなければ意味がありません。
やること: 3ヶ月に1回、テスト環境でバックアップから復元してみる。
所要時間: 30分 難易度: 普通
良い例・悪い例
❌ 悪い例
バックアップの保管場所:
→ サーバー内のみ
→ サーバー障害が発生
→ バックアップも消える
→ 復旧不可能
✅ 良い例
バックアップの保管場所:
→ Google Drive(自動、毎日)
→ 外付けHDD(手動、月1回)
→ サーバー障害が発生
→ Google Driveから復元
→ 30分で復旧完了
今すぐできること
ステップ1:Googleアカウントを作成(持っていなければ)
- https://accounts.google.com/ にアクセス
- 「アカウントを作成」
- 必要事項を入力
所要時間: 5分 難易度: 簡単
ステップ2:UpdraftPlusを導入
- WordPress管理画面にログイン
- 「プラグイン」→「新規追加」
- 「UpdraftPlus」を検索してインストール
所要時間: 5分 難易度: 簡単
ステップ3:Google Driveに自動バックアップを設定
- UpdraftPlusの設定を開く
- Google Driveを選択して認証
- バックアップスケジュールを設定(毎日または毎週)
- 保存
所要時間: 15分 難易度: 普通
まとめ
結論:バックアップは、サーバーとは別の場所に保管します。
おすすめの保管場所:
- Google Drive(自動バックアップ、毎日)
- Dropbox(自動バックアップ、毎日)
- 外付けHDD(手動バックアップ、月1回)
最低限やること:
- Google DriveまたはDropboxに自動バックアップ
- 世代管理(3世代以上)
- 3ヶ月に1回、復元テスト
最初の一歩: まずはUpdraftPlusをインストールして、Google Driveに自動バックアップを設定しましょう。これだけで、サーバー障害時でも30分で復旧できます。
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