CCとBCCって何が違うの?
答え:CCは全員に見える、BCCは他の人には見えない。
メールのCCとBCC、何が違うの? どう使い分ければいいの?
間違えると大変なことになります。
個人情報漏洩事故につながることもあります。
TO、CC、BCCの基本
TO(宛先)
意味:
- メインの送信先
- この人に読んでほしい人
例:
TO:田中さん
結果:
- 田中さんにメールが届く
- 田中さんは「自分宛のメール」と認識
CC(Carbon Copy)
意味:
- コピーを送る
- 情報共有したい人
- 「参考までに」という意味
例:
TO:田中さん
CC:山田部長
結果:
- 田中さんと山田部長にメールが届く
- 田中さんは「山田部長にもCCで送られている」と分かる
- 山田部長は「田中さん宛で、自分はCCだ」と分かる
重要:
- 全員に、全員のアドレスが見える
BCC(Blind Carbon Copy)
意味:
- 見えないコピーを送る
- 他の受信者には「誰にBCCで送ったか」が見えない
例:
TO:田中さん
BCC:山田部長
結果:
- 田中さんと山田部長にメールが届く
- 田中さんは「自分だけに送られた」と思う(山田部長の存在を知らない)
- 山田部長は「BCCで送られてきた」と分かる
重要:
- TOとCCの人には、BCCの人が見えない
- BCCの人同士も、お互いが見えない
何が「見える」「見えない」のか
図解:誰に何が見えるか
例:こんなメールを送った場合
TO:Aさん
CC:Bさん、Cさん
BCC:Dさん、Eさん
Aさんに見えるもの
TO:Aさん(自分)
CC:Bさん、Cさん
BCC:(見えない)
Aさんの認識:
- 自分宛のメールだ
- BさんとCさんにもCCで送られている
- 他に誰かに送られているかは分からない
Bさん・Cさんに見えるもの
TO:Aさん
CC:Bさん、Cさん(自分も含む)
BCC:(見えない)
BさんとCさんの認識:
- Aさん宛のメールだ
- 自分はCCで情報共有されている
- 他に誰かに送られているかは分からない
Dさん・Eさんに見えるもの
TO:Aさん
CC:Bさん、Cさん
BCC:Dさん(自分だけ)
DさんとEさんの認識:
- Aさん宛のメールだ
- BさんとCさんにもCCで送られている
- 自分はBCCで送られている
- Eさんの存在は知らない(Dさんから見て)
使い分けの具体例
CC:情報共有を公開したい時
例1:上司に報告
TO:取引先の田中様
CC:自社の山田部長
本文:
田中様
いつもお世話になっております。
〇〇の件、承知いたしました。
よろしくお願いいたします。
意図:
- 取引先の田中さんがメインの宛先
- 山田部長にも情報共有したい
- 田中さんに「上司にも報告している」と示したい
例2:チーム全員に情報共有
TO:プロジェクトリーダーの鈴木さん
CC:チームメンバー(佐藤さん、高橋さん、伊藤さん)
本文:
鈴木さん
プロジェクトの進捗報告です。
〇〇が完了しました。
意図:
- 鈴木さんがメインの宛先
- チーム全員にも情報共有したい
- 全員が「誰が見ているか」を知っている
BCC:アドレスを隠したい時
例1:クラス全員に一斉メール(アドレス非公開)
送り方:
TO:自分のアドレス(例:tanaka@example.com)
CC:空欄
BCC:クラス全員のアドレス
本文:
クラスの皆さんへ
同窓会のお知らせです。
日時:〇月〇日
場所:〇〇
結果:
- 全員に同じメールが届く
- 受け取った人には「田中さんから送られた」と分かる
- でも、他の誰に送られているかは見えない
- プライバシー保護
注意点:
- 返信されても、あなたにしか届きません
- 他のクラスメイトには届かない
- 全員に返信したい場合は、改めて全員に送る必要がある
例2:顧客へのメルマガ配信
送り方:
TO:自分のアドレス(例:info@company.com)
CC:空欄
BCC:顧客全員のアドレス
本文:
お客様各位
新商品のご案内です。
〇〇が発売されました。
結果:
- 全顧客にメールが届く
- 顧客同士のアドレスは見えない
- 個人情報保護
例3:社外への一斉送信(取引先複数社)
送り方:
TO:自分のアドレス
CC:空欄
BCC:取引先A社、B社、C社
本文:
取引先各位
年末年始の休業のお知らせです。
〇月〇日〜〇月〇日まで休業いたします。
結果:
- 各取引先にメールが届く
- 他の取引先のアドレスは見えない
- 取引先情報の保護
やってはいけない使い方
NG1: TOに全員入れる
間違った送り方:
TO:顧客A、顧客B、顧客C、顧客D、顧客E…(100人)
CC:空欄
BCC:空欄
結果:
- 全員のアドレスが全員に見える
- 顧客Aは、顧客B〜Eのアドレスを見られる
- 個人情報漏洩
NG2: CCに全員入れる
間違った送り方:
TO:自分のアドレス
CC:顧客A、顧客B、顧客C、顧客D、顧客E…(100人)
BCC:空欄
結果:
- 全員のアドレスが全員に見える
- TOと同じ問題
- 個人情報漏洩
正しい送り方(BCC使用)
TO:自分のアドレス
CC:空欄
BCC:顧客A、顧客B、顧客C、顧客D、顧客E…(100人)
結果:
- 全員にメールが届く
- でも、他の人のアドレスは見えない
- 個人情報保護
実際にあった事故例
事故例1: 学校からのメール
状況:
学校が保護者100人にメールを一斉送信
間違えてTOに全員のアドレスを入れた
結果:
- 全保護者のメールアドレスが全員に見える
- 個人情報漏洩
- 保護者から苦情
- ニュースで報道
- 謝罪文を発行
事故例2: 企業からの営業メール
状況:
企業が顧客500人にメルマガを送信
間違えてCCに全員のアドレスを入れた
結果:
- 全顧客のメールアドレスが全顧客に見える
- 個人情報漏洩
- 顧客から苦情
- 個人情報保護委員会に報告
- 罰金・信頼失墜
事故例3: 自治体からのお知らせ
状況:
自治体が住民200人に一斉メール
間違えてTOに全員のアドレスを入れた
結果:
- 全住民のメールアドレスが全住民に見える
- 個人情報漏洩
- 住民から苦情
- ニュースで報道
- 職員が処分
BCCを使うべきシーン
シーン1: メルマガ配信
TO:自分のアドレス
BCC:購読者全員
理由:
- 購読者同士のアドレスを隠す
- 個人情報保護
シーン2: 社外への一斉送信
TO:自分のアドレス
BCC:取引先A社、B社、C社…
理由:
- 取引先同士の情報を隠す
- 企業秘密の保護
シーン3: 複数の個人への一斉送信
TO:自分のアドレス
BCC:友人A、友人B、友人C…
理由:
- 友人同士のアドレスを隠す
- プライバシー保護
シーン4: アンケート送信
TO:自分のアドレス
BCC:アンケート対象者全員
理由:
- 対象者同士のアドレスを隠す
- 回答の匿名性を保つ
CCを使うべきシーン
シーン1: 上司への報告(公開)
TO:取引先
CC:上司
理由:
- 取引先に「上司にも報告している」と示す
- 透明性の確保
シーン2: チーム内の情報共有
TO:チームリーダー
CC:チームメンバー全員
理由:
- 全員が「誰が見ているか」を知っている
- 透明性の確保
シーン3: 関係者への情報共有(公開)
TO:プロジェクトマネージャー
CC:関係部署の担当者
理由:
- 関係者全員が「誰が関わっているか」を知っている
- 透明性の確保
よくある質問
Q1: BCCで送ったメールに返信されたらどうなる? A: 送信者にのみ返信される。他のBCC受信者には届かない。
Q2: BCCで送られてきたメールだと分かる? A: はい。受信者側で「BCC」と表示される場合がある(メールソフトによる)。
Q3: TOを空欄にして、BCCだけで送れる? A: メールソフトによってはエラーになる。TOには自分のアドレスを入れるのが安全。
Q4: CCとBCCを両方使える? A: はい。CCとBCCを同時に使うことも可能。
Q5: 間違えてTOに全員入れてしまったら? A: すぐに謝罪メールを送る。個人情報保護委員会への報告が必要な場合もある。
トラブルシューティング
問題1: 間違えてTOに全員入れて送信してしまった
対処法:
- すぐに謝罪メールを送る
- 「誤送信により、メールアドレスが漏洩しました」と明記
- 上司に報告
- 必要に応じて個人情報保護委員会に報告
問題2: BCCで送ったつもりがCCだった
対処法:
- すぐに謝罪メールを送る
- 問題1と同じ対応
問題3: BCCで送ったメールに「全員に返信」された
状況:
- BCCで送ったのに、受信者が「全員に返信」を押した
- でも、他のBCC受信者には届かない
対処法:
- 問題なし(BCCの仕様上、他の人には届かない)
まとめ:個人情報漏洩を防ぐために
CCとBCCの違い
項目 | CC | BCC |
---|---|---|
他の受信者に見える? | ✅ 見える | ❌ 見えない |
使用目的 | 情報共有(公開) | アドレス非公開 |
返信先 | 全員 | 送信者のみ |
使い分けのポイント
CCを使う:
- 上司への報告(公開)
- チーム内の情報共有
- 関係者全員が「誰が見ているか」を知っている
BCCを使う:
- メルマガ配信
- 社外への一斉送信
- アドレスを隠す必要がある
絶対にやってはいけないこと
❌ 複数の人に一斉送信するとき、TOやCCに全員入れる ✅ BCCに入れる
事故を防ぐために
- 送信前に必ず確認
- TOとCCに複数人入れる場合は特に注意
- 一斉送信は必ずBCCを使う
結論
間違えると個人情報漏洩事故になります。
CCとBCCの違い:
- CC:全員に見える
- BCC:他の人には見えない
一斉送信の鉄則:
- TO:自分のアドレス
- CC:空欄
- BCC:送信先全員
送信前に必ず確認してください。
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