HTTPSにしないとダメなんですか?
答え:ダメではないけど、デメリットが大きすぎる。
HTTPSにしないとダメ? お金かかるんでしょ? 別にやらなくてもいいんじゃない?
その気持ち、わかります。
でも、今はHTTPSが標準です。 やらないと損をします。
HTTPとHTTPSの違い
HTTP
意味:
- HyperText Transfer Protocol
- Webページを表示するための通信方式
特徴:
- 暗号化されていない
- 通信内容が丸見え
- 古い方式
表示:
http://example.com
ブラウザの警告:
⚠️ 保護されていない通信
HTTPS
意味:
- HyperText Transfer Protocol Secure
- HTTPに「Secure(安全)」を追加
特徴:
- 暗号化されている
- 通信内容が保護される
- 今の標準方式
表示:
https://example.com
ブラウザの表示:
🔒 保護された通信
お金はかかりません
レンタルサーバーなら無料
主要レンタルサーバーの対応:
サーバー会社 | 無料SSL |
---|---|
Xserver | ✅ 無料 |
さくらインターネット | ✅ 無料 |
ConoHa WING | ✅ 無料 |
ロリポップ | ✅ 無料 |
エックスサーバービジネス | ✅ 無料 |
追加費用:0円
Let’s Encryptという無料SSL
Let’s Encryptとは:
- 無料のSSL証明書
- 世界中で使われている
- 信頼性が高い
- レンタルサーバーが標準で対応
つまり:
- お金をかけずにHTTPSにできる
- やらない理由がない
HTTPSにしないデメリット
デメリット1: 「保護されていない通信」と表示される
ユーザーが見る画面:
Google Chrome
⚠️ 保護されていない通信
http://example.com
Safari
🚫 安全ではありません
http://example.com
Microsoft Edge
⚠️ セキュリティで保護されていません
http://example.com
ユーザーの心理:
「このサイト、大丈夫?」
「怪しいサイトなのかな…」
「やめておこう」
→ ページを閉じる
デメリット2: ユーザーがページを開かない
統計データ:
HTTPSのサイト:離脱率 10%
HTTPのサイト:離脱率 50%以上
つまり:
- HTTPSにしないだけで、半分以上のユーザーが離脱
- 売上機会の損失
- 信頼の低下
デメリット3: Googleの検索順位が下がる
Googleの公式発表(2014年):
「HTTPSをランキング要因として使用します」
つまり:
- HTTPSのサイト:検索順位が上がりやすい
- HTTPのサイト:検索順位が下がりやすい
例:
同じ内容のサイトが2つある
A社:HTTPSあり → 検索順位 1位
B社:HTTPSなし → 検索順位 10位
結果:A社にアクセスが集中
デメリット4: 信頼を失う
ユーザーの印象:
HTTPSのサイト:
「ちゃんとした会社だな」
「安心して使える」
HTTPのサイト:
「セキュリティ対策してないの?」
「大丈夫かな…」
「古い会社なのかな」
特にBtoB(企業間取引)では:
- 「この会社、ITに弱いな」
- 「セキュリティ意識が低い」
- 「取引先として大丈夫?」
デメリット5: パスワードやフォームの内容が盗まれる可能性
HTTPの危険性:
ユーザーがフォームに入力
↓
データが暗号化されずに送信
↓
途中で盗聴される可能性
↓
個人情報漏洩
HTTPSなら:
ユーザーがフォームに入力
↓
データが暗号化されて送信
↓
途中で盗聴されても解読できない
↓
安全
有料版と無料版の違い
無料版SSL(Let’s Encrypt)
特徴:
- 暗号化機能:✅ あり
- 鍵マーク表示:✅ あり
- 企業認証:❌ なし
- 費用:無料
向いているサイト:
- 企業紹介サイト(コーポレートサイト)
- ブログ
- 一般的なWebサイト
- 決済機能がないサイト
有料版SSL(企業認証SSL、EV SSL)
特徴:
- 暗号化機能:✅ あり
- 鍵マーク表示:✅ あり
- 企業認証:✅ あり
- 費用:年間数万円〜
企業認証SSLの表示:
🔒 example.com(株式会社〇〇)
向いているサイト:
- ECサイト(決済機能あり)
- 金融機関
- 個人情報を多く扱うサイト
- 高い信頼性が必要なサイト
どっちを選ぶべき?
無料版で十分な場合
✅ 企業紹介サイト
✅ ブログ
✅ お問い合わせフォームのみ
✅ 決済機能なし
結論:無料版でOK
有料版が必要な場合
✅ ECサイト(クレジットカード決済)
✅ 会員制サイト(個人情報多数)
✅ 金融機関
結論:有料版を検討
設定は簡単
設定の流れ
ステップ1: サーバー管理画面にログイン
Xserver、さくらインターネット、ConoHa WINGなど
レンタルサーバーの管理画面にログイン
ステップ2: SSL設定画面を開く
「SSL設定」または「無料SSL」などのメニューをクリック
ステップ3: ドメインを選択して「設定する」
対象のドメインを選択
「無料SSLを設定する」ボタンをクリック
ステップ4: 反映を待つ
設定完了
↓
数分〜数時間で反映
↓
https://example.com でアクセスできるようになる
所要時間:
- 操作:5分
- 反映:数分〜数時間
設定後にやること
HTTP → HTTPS リダイレクト設定
やること:
http://example.com にアクセスした人を
https://example.com に自動転送する
方法:
- サーバー管理画面の「リダイレクト設定」
- または
.htaccess
ファイルに記述
これをやらないと:
- HTTPとHTTPSの両方でアクセスできる状態
- SEO的に不利
- 必ず設定すべき
サポートに問い合わせれば教えてくれる
問い合わせ例
件名:無料SSLの設定方法について
お世話になっております。
契約ID:12345678
ドメイン:example.com
無料SSLを設定したいのですが、
手順を教えていただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
サポートの回答:
お問い合わせありがとうございます。
以下の手順で設定できます。
1. サーバーパネルにログイン
2. 「SSL設定」をクリック
3. ドメイン選択タブで「example.com」を選択
4. 「独自SSL設定追加」タブをクリック
5. 「確認画面へ進む」→「追加する」
詳細はマニュアルをご覧ください。
https://〜
つまり:
- サポートに聞けば、丁寧に教えてくれる
- 難しくない
今すぐやるべき理由
理由1: デメリットしかない
HTTPSにしない状態:
❌ 「保護されていない通信」と表示
❌ ユーザーが離脱
❌ 検索順位が下がる
❌ 信頼を失う
❌ セキュリティリスク
✅ メリット:なし
HTTPSにした状態:
✅ 「保護された通信」と表示
✅ ユーザーが安心
✅ 検索順位が上がる
✅ 信頼が上がる
✅ セキュリティ向上
❌ デメリット:なし(無料だから)
やらない理由がない。
理由2: 無料でできる
費用:0円
時間:5分(操作)
効果:大きい
たった5分で、会社の信頼が上がる。
理由3: 今後さらに厳しくなる
Googleの方針:
2018年:「HTTPは安全ではない」と警告表示
2023年:「HTTPSが標準」と明言
今後:さらに厳しくなる可能性
つまり:
- 今やらないと、さらに不利になる
- 早めに対応すべき
よくある質問
Q1: HTTPSにすると何か変わる? A: URLが http://
から https://
になる。鍵マークが表示される。
Q2: 無料版で本当に大丈夫? A: 企業紹介サイトなら無料版で十分。決済機能があるなら有料版を検討。
Q3: 設定したらすぐに反映される? A: 数分〜数時間かかる。慌てず待つ。
Q4: 既存のページはどうなる? A: HTTPのページもそのまま。リダイレクト設定をすれば自動でHTTPSに転送される。
Q5: 途中でやめられる? A: 技術的には可能。でも、やめる理由がない。
トラブルシューティング
問題1: SSL設定がエラーになる
原因:
- ドメインのネームサーバーが正しく設定されていない
対処法:
- ドメインのネームサーバーを確認
- サーバー会社のサポートに問い合わせ
問題2: 設定後も鍵マークが表示されない
原因:
- まだ反映中
- 混在コンテンツ(HTTPとHTTPSが混ざっている)
対処法:
- 数時間待つ
- ブラウザのキャッシュをクリア
- それでもダメなら、混在コンテンツをチェック
問題3: リダイレクト設定がうまくいかない
対処法:
- サーバー会社のマニュアルを確認
- サポートに問い合わせ
まとめ:やらない理由がない
HTTPSにしないデメリット
❌ 「保護されていない通信」と表示 ❌ ユーザーが離脱(50%以上) ❌ 検索順位が下がる ❌ 信頼を失う ❌ セキュリティリスク
HTTPSにするメリット
✅ 「保護された通信」と表示 ✅ ユーザーが安心 ✅ 検索順位が上がる ✅ 信頼が上がる ✅ セキュリティ向上
費用
レンタルサーバーなら:無料
操作時間:5分
反映時間:数分〜数時間
無料版と有料版
- 企業紹介サイト: 無料版で十分
- ECサイト(決済あり): 有料版を検討
設定方法
- サーバー管理画面にログイン
- SSL設定画面を開く
- ドメインを選択して「設定する」
- 反映を待つ
- リダイレクト設定をする
わからなければ、サポートに問い合わせればOK。
結論
HTTPSにしないデメリットが大きすぎる。今すぐやるべき。
理由:
- 無料でできる
- 設定は簡単(5分)
- デメリットしかない状態を解消できる
今はHTTPSが標準です。 やらないと損をします。
今すぐHTTPSに設定してください。
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