警察からマルウェア感染の連絡が来ました

Q: 警察からマルウェア感染の連絡が来ました。どうすればいいですか?

A: すぐにサイトを閉鎖し、バックアップから復元します。警察への報告書作成も必要です。


まず、例え話で説明します

警察からの連絡は、食品衛生法違反の通知のようなものです。

飲食店に保健所から連絡:

  • 「あなたの店で食中毒が発生しました」
  • すぐに営業停止
  • 原因を調査
  • 改善策を実施
  • 報告書を提出
  • 営業再開

サイトに警察から連絡:

  • 「あなたのサイトがマルウェアをばらまいています」
  • すぐにサイトを閉鎖
  • 原因を調査
  • マルウェアを駆除
  • 報告書を提出
  • サイト再開

警察から連絡が来る理由

理由1:あなたのサイトが攻撃の踏み台になっている

よくあるケース:

  • あなたのサイトがマルウェアに感染
  • そのマルウェアが他のサイトを攻撃
  • 攻撃を受けたサイトが警察に通報
  • 警察があなたのサイトを特定

あなたは加害者ではなく、被害者です。 ただし、対処しないと、法的責任を問われることがあります。


理由2:あなたのサイトがフィッシング詐欺に使われている

よくあるケース:

  • ハッカーがあなたのサイトを改ざん
  • 偽のログインページを設置
  • 利用者のパスワードを盗む
  • 被害者が警察に通報

参考データ:

  • フィッシング被害報告:年間10万件以上
  • サイト改ざん被害:年間1万件以上

警察から連絡が来たらすぐやること

ステップ1:サイトを一時的に閉鎖(最優先)

理由: 被害の拡大を防ぐため。

方法:

  1. サーバーの管理画面にログイン
  2. サイトを停止(メンテナンスモード)
  3. または、サーバーのアクセスを遮断

所要時間: 5分 難易度: 簡単

表示メッセージ例: 「ただいまメンテナンス中です。ご迷惑をおかけして申し訳ございません」


ステップ2:警察の連絡内容を確認

確認すること:

  • どのサイトが問題か(URLを確認)
  • 何が問題か(マルウェア配布、フィッシング、など)
  • いつから問題が発生しているか
  • 担当者の連絡先

所要時間: 10分 難易度: 簡単


ステップ3:証拠を保全

やること:

  1. サーバーのログをダウンロード
  2. 現在のサイトのバックアップを取る(感染状態のまま)
  3. スクリーンショットを撮る

理由: 警察への報告、保険請求、今後の対策に必要。

所要時間: 30分 難易度: 普通


マルウェアの駆除と復旧

ステップ1:感染前のバックアップから復元

バックアップがある場合:

  1. 感染前のバックアップを選ぶ
  2. 復元を実行
  3. 動作確認

所要時間: 30分 難易度: 普通


ステップ2:セキュリティプラグインで駆除

バックアップがない場合:

  1. Wordfence Securityをインストール
  2. スキャンを実行
  3. 検出されたマルウェアを削除

所要時間: 1時間 難易度: 普通

注意: 完全に駆除できない場合があります。専門業者への依頼を検討してください。


ステップ3:WordPress本体とプラグインを最新版に更新

  1. WordPress本体を更新
  2. すべてのプラグインを更新
  3. テーマを更新

所要時間: 10分 難易度: 簡単


ステップ4:すべてのパスワードを変更

変更すべきパスワード:

  • WordPress管理者パスワード
  • FTPパスワード
  • データベースパスワード
  • サーバー管理画面のパスワード

所要時間: 15分 難易度: 簡単


警察への報告

ステップ1:報告書を作成

記載内容:

  1. 事案の概要(いつ、何が起きたか)
  2. 対処内容(何をしたか)
  3. 再発防止策(今後どうするか)
  4. 証拠(ログ、スクリーンショット)

所要時間: 2時間 難易度: 普通


ステップ2:警察に提出

提出方法:

  • メールまたは郵送
  • 担当者に確認

所要時間: 30分 難易度: 簡単


再発防止策

対策1:定期的に更新

やること:

  • WordPress本体:リリース後、1週間以内に更新
  • プラグイン:毎週確認して更新
  • テーマ:月1回確認して更新

所要時間: 週10分 難易度: 簡単


対策2:セキュリティプラグインを導入

おすすめプラグイン:Wordfence Security

機能:

  • リアルタイムスキャン
  • ファイアウォール
  • ログイン試行回数制限

所要時間: 30分(初回設定) 難易度: 普通


対策3:バックアップを自動化

推奨設定:

  • 頻度:毎日
  • 保存先:Google Drive、Dropbox
  • 世代数:7世代

所要時間: 30分(初回設定) 難易度: 普通


対策4:WAF(Webアプリケーションファイアウォール)を導入

WAFとは: Webアプリケーションへの攻撃を防ぐファイアウォール。

提供元:

  • Cloudflare(無料プランあり)
  • Sucuri(有料)
  • レンタルサーバーの標準機能(エックスサーバーなど)

所要時間: 1時間(初回設定) 難易度: やや難しい


法的責任について

あなたが責任を問われるケース

条件:

  • 管理を怠った(更新しない、セキュリティ対策なし)
  • 被害が拡大した
  • 故意または重過失

罰則:

  • 民事:損害賠償請求
  • 刑事:サイバーセキュリティ基本法違反など

あなたが責任を問われないケース

条件:

  • 適切に管理していた(定期更新、セキュリティ対策)
  • すぐに対処した
  • 再発防止策を実施

重要: 日頃から適切に管理していれば、責任を問われる可能性は低いです。


専門業者への依頼

依頼すべきケース

条件:

  • バックアップがない
  • 自分で駆除できない
  • 被害が大きい
  • 法的対応が必要

料金:

  • マルウェア駆除:5万円〜30万円
  • 法的対応支援:10万円〜50万円

所要時間: 1週間〜2週間 難易度: なし(業者に任せる)


良い例・悪い例

❌ 悪い例

警察からの連絡を無視
サイトを閉鎖しない
対処を先延ばし
→ 被害が拡大
→ 法的責任を問われる
→ 損害賠償請求

✅ 良い例

警察から連絡
すぐにサイトを閉鎖
バックアップから復元
報告書を提出
再発防止策を実施
→ 被害を最小化
→ 法的責任なし

まとめ

結論:すぐにサイトを閉鎖し、バックアップから復元します。警察への報告書作成も必要です。

すぐやること:

  1. サイトを一時的に閉鎖(5分)
  2. 警察の連絡内容を確認(10分)
  3. 証拠を保全(30分)

復旧手順:

  1. 感染前のバックアップから復元
  2. WordPress・プラグインを最新版に更新
  3. すべてのパスワードを変更
  4. 警察に報告書を提出

再発防止策:

  1. 定期的に更新
  2. セキュリティプラグイン導入
  3. バックアップ自動化
  4. WAF導入

最初の一歩: まずはすぐにサイトを閉鎖してください。被害の拡大を防ぐことが最優先です。その後、バックアップから復元するか、専門業者に依頼してください。


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