サーバー管理者ってどんな仕事?現役が教える職場のリアルな雰囲気
サーバー管理者ってどんな仕事?
Q: サーバー管理者って何してるの?プログラマーやデザイナーとは何が違うの?
A: サーバーの面倒を見る仕事です。夜間・休日作業が多く、12時間勤務もあります。でも、会社では特別なポジションで、スキルは一生使えます。
まず、例え話で説明します
IT業界の仕事は分かりにくいですよね。
一般的なイメージ:
- プログラマー → ゲームを作ってる人?
- デザイナー → 絵を描いてる人?
- サーバー管理者 → ???
サーバー管理者を例えるなら:
マンションの管理人さん
プログラマー = 住人(部屋で仕事をする人)
サーバー管理者 = 管理人(建物全体を守る人)
・水道、電気、エレベーターの点検
・24時間体制で監視
・トラブルが起きたら夜中でも駆けつける
・住人(プログラマー)が快適に仕事できるように裏方で支える
サーバー管理者の1日(リアル版)
他のサイトでは教えてくれない、本当の働き方を紹介します。
パターン1:通常勤務(昼から出勤)
9:00 – 11:00 まだ家にいる(前日の夜間作業で深夜2時まで働いていた)
12:00 会社に到着
他の社員「おはようございます」(昼なのに)
サーバー管理者「おはようございます」
→ これが普通
→ 夜の作業や休日出勤が多いので、
みんな朝から出勤してるのに、
昼から会社に来たり、夕方から会社に来たりする
12:00 – 18:00
- サーバーの監視
- トラブル対応
- 定期メンテナンス作業の準備
18:00 – 19:00 帰宅(普通の社員は定時で帰る時間)
22:00 自宅で待機中、突然の呼び出し
電話「サーバーがダウンしました!」
→ リモートで復旧作業
→ 場合によっては会社へ
パターン2:夜間メンテナンス(17:00出勤)
17:00 会社に到着
18:00 – 22:00 メンテナンス作業の準備・最終確認
22:00 差し入れが届く
上司や他部署の人が差し入れを持ってくる
・エナジードリンク
・お菓子
・夜食(おにぎり、サンドイッチ)
→ ロッカーの中にエナジードリンクと
お菓子がたっぷりある理由
23:00 – 翌5:00 サーバーのメンテナンス作業(12時間勤務)
なぜ夜間?
・業務時間中はサーバーを止められない
・システムが止まると会社全体の業務が止まる
・だから夜間・休日に作業する
翌朝6:00 作業完了、帰宅
その日は休み → 夜間作業した翌日は基本的に休み
サーバー管理者の職場環境(他では読めない話)
特別なIDカード
普通の社員:
- 自分の部署のフロアに入れるカード
サーバー管理者:
- サーバールームに入れる特別なカード
- 厳重なセキュリティエリアの通行権限
- 会社の心臓部にアクセスできる
サーバールーム:
・会社の最重要エリア
・24時間空調管理
・入退室記録がすべて残る
・普通の社員は絶対に入れない
席の場所が特殊
サーバー管理者の席:
- お客様の目に触れない隠れた部屋
- あまり偉い人も来ない場所
- サーバールームの近く
だから許される環境:
机の上:
・フィギュアを飾ってる人
・アイドルの写真をスクリーンセーバーにしてる人
・大量のエナジードリンク
→ 営業部門では絶対にNG
→ でもサーバー管理者の席なら許される
人間関係の特徴
少人数のチーム:
- 2〜5人程度のチーム
- ベテランと若手がペアで作業
- お互いに助け合う文化
性格の傾向:
- おとなしい人が多い
- 真面目で責任感が強い
- 仕事にプライドを持っている
- 職人気質
年齢層:
- 幅が広い(20代〜50代)
- 若い人もベテランもいる
- ベテランが若手を育てる文化
性別:
- 圧倒的に男性が多い
- (女性がいないわけではないが、比率は低い)
社内でのポジション(意外と特別)
プログラマーとの関係
重要な立場:
サーバーがないとプログラマーが仕事できない
↓
プログラマーからいろいろお願いされる
↓
割と丁寧な扱いをされるポジション
よくあるやり取り:
プログラマー「サーバーの権限を追加してもらえますか?」
サーバー管理者「いいですよ」
プログラマー「開発環境のサーバーが欲しいんですが...」
サーバー管理者「構築しますね」
→ 頼られる存在
→ だから丁寧に扱われる
他部署との関係
社内でもちょっと特別な存在:
- 人事異動がない(専門職だから)
- 社内から出ることもない(お客様との打ち合わせなし)
- 出張もない(サーバーは会社にあるから)
営業や総務とは違う世界:
営業部門:
・お客様訪問
・接待
・身だしなみ厳しい
サーバー管理者:
・お客様と会わない
・服装も比較的自由
・技術があればOK
給料・待遇のリアル
給料の位置づけ
社内での相場:
総合職(営業・企画など) > サーバー管理者 > プログラマー
具体的な年収例:
- 未経験(1年目):300万円〜350万円
- 経験3年:400万円〜500万円
- 経験10年(ベテラン):600万円〜800万円
特徴:
- 大きく稼ぐ職種ではない
- でも安定している
- 夜勤手当・休日出勤手当がつく
勤務時間の特徴
良いところ:
- 夜間作業した翌日は休み
- 休みはちゃんと取れる
- 有給休暇も使いやすい
大変なところ:
- 12時間勤務が最初から確定していることがある
- 帰宅後も呼び出しがあることがある
- 夜間・休日出勤が多い
比較:
普通の社員:
・9:00 - 18:00(定時で帰れる)
・残業は月20時間くらい
サーバー管理者:
・12:00 - 19:00(夜間作業後)
・または17:00 - 翌朝5:00(夜間メンテナンス)
・時間が不規則
仕事内容の詳細
やること(技術面)
1. サーバーの監視
24時間365日、サーバーが正常に動いているか監視
異常を検知したら:
→ アラートが鳴る
→ すぐに対応
→ 原因を調査
→ 復旧作業
2. メンテナンス
定期的にサーバーをメンテナンス
やること:
・OSのアップデート
・セキュリティパッチの適用
・ディスクの空き容量確認
・バックアップの確認
3. トラブル対応
サーバーがダウンした!
→ 原因を特定
→ 復旧作業
→ 報告書作成
→ 再発防止策を検討
4. 作業の自動化
毎日同じ作業をするのは非効率
→ シェルスクリプトで自動化
→ プログラムを書く(簡単なやつ)
使うのは:
・Bashスクリプト
・Pythonスクリプト
・PowerShellスクリプト
→ お客さんに納品するプログラムは作らない
→ でも、サーバーの作業を自動化するための
シェルというプログラム言語はよく使う
やらないこと
お客様との打ち合わせ:
- ない
- 営業が窓口になる
プログラムの開発:
- お客様に納品するプログラムは作らない
- あくまでサーバーの管理が仕事
書類作成:
- 企画書や提案書は作らない
- 技術的な報告書は書く
サーバー管理者の人生(プライベート編)
結婚・家庭
意外な事実:
- 割と結婚は早い
- 離婚も少ない
- 真面目な人が多い傾向
理由(推測):
- 安定した職種
- 責任感が強い
- 浮気する暇がない(夜勤が多いから)
モテるかもしれない?
プラス要素:
- IT企業勤務(イメージが良い)
- 専門スキルを持っている
- 真面目で責任感が強い
- 安定した収入
マイナス要素:
- 夜間・休日出勤がある
- 急な呼び出しがある
- デートの予定が狂うことも
キャリアの特徴
スキルは一生使える
一度覚えたスキルは:
- 他の会社に行っても通用する
- どのIT企業でも必要とされる
- WEB制作会社にも必ず1人は必要
転職しやすい:
サーバー管理のスキル:
・LinuxやWindowsServerの知識
・ネットワークの知識
・セキュリティの知識
→ どの会社でも使える
→ 需要が高い
→ 転職先に困らない
未経験から始められる
なぜ未経験でもOK?
- ベテランと若手がペアで仕事
- 教えてもらいながら成長できる
- 最初は簡単な作業から
最初の仕事:
1年目:
・サーバーの監視
・簡単なトラブル対応
・ベテランのサポート
3年目:
・一人で対応できる
・メンテナンス作業を任される
5年目:
・若手を教える立場
・設計もできる
人事異動がない
メリット:
- 専門スキルが身につく
- ずっと同じチームで働ける
- 人間関係が安定
デメリット(人によっては):
- 変化が少ない
- 他の部署を経験できない
- 総合職へのキャリアチェンジは難しい
向いている人・向いていない人
向いている人
こんな人にオススメ:
✅ 真面目で責任感が強い
✅ コツコツ作業するのが好き
✅ 夜型人間
✅ 少人数のチームが好き
✅ お客様対応が苦手
✅ 専門スキルを極めたい
✅ 安定した仕事がしたい
向いていない人
こんな人には厳しい:
❌ 規則正しい生活がしたい
❌ 夜勤が絶対に無理
❌ 急な呼び出しに対応できない
❌ 大人数でワイワイ働きたい
❌ お客様と直接やり取りしたい
❌ 大きく稼ぎたい
きつい?楽?本音で答えます
きついところ
1. 時間が不規則
・夜間作業
・休日出勤
・急な呼び出し
→ 友達と遊ぶ予定が立てにくい
→ 家族との時間が取りにくい
2. 責任が重い
サーバーがダウンすると:
→ 会社全体の業務が止まる
→ 数千万円の損失になることも
→ プレッシャーが大きい
3. 12時間勤務
最初から12時間勤務が確定している
→ 体力勝負
→ 若いうちはいいが、年を取ると厳しい
楽なところ
1. お客様対応がない
・理不尽なクレームを受けない
・接待もない
・気を遣う場面が少ない
2. 自分のペースで仕事できる
・営業のようにノルマはない
・技術があればOK
・黙々と作業できる
3. 職場環境が自由
・服装は比較的自由
・机の上に好きなものを置ける
・人間関係のストレスが少ない
4. 休みはちゃんと取れる
・夜間作業の翌日は休み
・有給休暇も使いやすい
・休日出勤した分は代休が取れる
よくある質問
Q1: サーバー管理者になるには資格が必要ですか?
A: 必須ではないですが、あると有利です。
よくある資格:
- LinuC(Linux技術者認定)
- LPIC(Linux Professional Institute Certification)
- CCNA(Cisco認定ネットワークアソシエイト)
- AWS認定(クラウド系)
未経験からのルート:
1. IT企業に入社(未経験OK求人を探す)
2. サーバー監視の仕事から始める
3. 働きながら資格を取る
4. 3年ほどで一人前
Q2: 女性でもなれますか?
A: なれます。ただし、現状は男性が多いです。
理由:
- 夜勤・休日出勤がある
- 体力勝負の面もある
- もともと男性が多い業界
でも:
- 技術があれば性別は関係ない
- 最近は女性のサーバー管理者も増えている
- リモートワークが増えれば、さらに働きやすくなる
Q3: プログラミングができないとダメですか?
A: お客様向けのプログラムは作りません。
必要なのは:
- シェルスクリプト(簡単なプログラム)
- 作業の自動化スクリプト
安心してください:
- プログラマーほどのスキルは不要
- 働きながら覚えられる
- ベテランが教えてくれる
Q4: 将来AIに仕事を奪われませんか?
A: すぐには奪われません。
理由:
- トラブル対応は人間の判断が必要
- サーバーの物理的な作業は人間がやる
- セキュリティは人間が管理する必要がある
ただし:
- 単純な監視作業は自動化が進む
- スキルアップし続ける必要はある
- クラウド化で仕事内容は変わる
これからのサーバー管理者:
- クラウド(AWS、Azure)のスキル
- 自動化(Ansible、Terraform)のスキル
- セキュリティのスキル
Q5: サーバー管理者から他の職種に転職できますか?
A: できます。特にインフラエンジニア関連の職種。
転職先の例:
・クラウドエンジニア(AWS、Azure専門)
・ネットワークエンジニア
・セキュリティエンジニア
・DevOpsエンジニア
・インフラコンサルタント
プログラマーへの転職は?
- 可能だが、追加のスキルが必要
- サーバー管理の経験は活きる
- バックエンドエンジニアが相性良い
まとめ
サーバー管理者は、会社の裏方を支える重要な仕事です。
特徴:
- 夜間・休日作業が多く、時間が不規則
- 12時間勤務もある
- でも、休みはちゃんと取れる
- 社内では特別なポジション
- スキルは一生使える
向いている人:
- 真面目で責任感が強い
- 夜型人間
- お客様対応が苦手
- 専門スキルを極めたい
給料:
- プログラマーより上、総合職より下
- 安定している
- 大きく稼ぐ職種ではない
キャリア:
- 未経験からでも始められる
- ベテランと若手がペアで仕事
- 転職しやすい
- 人事異動がない
最初の一歩: まずはIT企業の未経験OK求人を探してみましょう。「サーバー監視」「運用保守」という求人が狙い目です。働きながらスキルを身につけられます。
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