SSH接続って何ですか?

Q: SSH接続って、何ですか?
A: 遠隔地からサーバーを操作する方法です。暗号化されているので安全です。
まず、例え話で説明します
SSH接続は、銀行の貸金庫のようなものです。
普通の金庫:
- 鍵が1つ
- 鍵があれば誰でも開けられる
- 盗まれたら終わり
銀行の貸金庫:
- 銀行員の鍵+あなたの鍵の2つ
- 両方ないと開かない
- 暗号化された通路を通る
- 誰が開けたか記録が残る
SSH接続も同じです。暗号化された通信で、安全にサーバーを操作できます。
SSH接続とは
SSH=Secure Shell(セキュア・シェル)
やっていること: 離れた場所から、サーバーにコマンドを送って操作する。
例:
- 自宅のパソコンから、会社のサーバーを操作
- カフェのノートPCから、レンタルサーバーを操作
特徴:
- 通信が暗号化される
- パスワードが盗まれにくい
- 安全にファイルを転送できる
なぜSSH接続が必要なのか
理由1:サーバーに直接アクセスできる
WordPressの管理画面ではできない操作ができます。
例:
- サーバーのログを確認
- データベースを直接操作
- プラグインのエラーを修正
理由2:セキュリティが高い
FTP(古い方法)の問題:
- パスワードが平文で送信される
- 通信を盗聴されると、パスワードが盗まれる
SSHの利点:
- 通信が暗号化される
- パスワードが盗まれない
- 公開鍵認証でさらに安全
理由3:作業が速い
コマンドで操作するので、マウス操作より速いです。
例:
- ファイルの一括削除
- バックアップの圧縮
- 大量のファイル転送
SSH接続でできること
1. サーバーの状態確認
コマンド例:
# ディスク使用量の確認
df -h
# メモリ使用量の確認
free -h
# CPUの状態確認
top
所要時間: 1分 難易度: 簡単
2. ファイル操作
コマンド例:
# ファイル一覧の表示
ls -la
# ディレクトリの移動
cd /var/www/html
# ファイルのコピー
cp file1.txt file2.txt
# ファイルの削除
rm file.txt
所要時間: 3分 難易度: 普通
3. WordPressの操作
コマンド例:
# WordPressの更新
wp core update
# プラグインの更新
wp plugin update --all
# バックアップの作成
tar -czf backup.tar.gz /var/www/html
所要時間: 5分 難易度: 普通
SSH接続の方法
ステップ1:SSH接続に必要な情報を確認
必要な情報:
- サーバーのIPアドレス(例:192.168.1.1)
- ユーザー名(例:root、admin)
- パスワード または 秘密鍵
確認場所: レンタルサーバーの管理画面またはサーバー会社からのメール
ステップ2:SSH接続ソフトを用意
Windowsの場合:
- Tera Term(無料)
- PuTTY(無料)
Macの場合:
- ターミナル(標準搭載)
所要時間: 5分(ダウンロード・インストール) 難易度: 簡単
ステップ3:SSH接続を実行
Macの場合:
- ターミナルを開く
- 以下のコマンドを入力
ssh ユーザー名@IPアドレス
例:
ssh admin@192.168.1.1
- パスワードを入力
- 接続完了
所要時間: 1分 難易度: 簡単
Windowsの場合(Tera Term):
- Tera Termを起動
- ホスト名にIPアドレスを入力
- TCPポートは「22」
- OKをクリック
- ユーザー名とパスワードを入力
- 接続完了
所要時間: 3分 難易度: 簡単
SSH接続のセキュリティ対策
対策1:パスワードを複雑にする
悪いパスワード:
- password
- 123456
- admin
良いパスワード:
- 12文字以上
- 大文字・小文字・数字・記号を含む
- 例:Xk9!mP#2vQzL
対策2:公開鍵認証を使う
公開鍵認証とは: パスワードの代わりに、秘密鍵と公開鍵のペアを使う方法。
メリット:
- パスワードより安全
- 自動ログインできる
設定方法:
- 秘密鍵・公開鍵のペアを作成
- 公開鍵をサーバーに登録
- 秘密鍵で接続
所要時間: 30分(初回のみ) 難易度: やや難しい
対策3:ポート番号を変更
デフォルトのポート番号: 22
問題: ハッカーは、まずポート22を狙います。
対策: ポート番号を変更する(例:10022)
所要時間: 10分 難易度: 普通
対策4:IPアドレス制限
やること: 特定のIPアドレスからのみ接続を許可する。
例:
- 自宅のIPアドレス:許可
- それ以外:拒否
所要時間: 10分 難易度: 普通
よくあるエラーと対処法
エラー1: “Connection refused”
原因:
- サーバーがSSH接続を受け付けていない
- ポート番号が間違っている
対処法:
- サーバーの管理画面でSSHが有効か確認
- ポート番号を確認(通常は22)
エラー2: “Permission denied”
原因:
- ユーザー名またはパスワードが間違っている
対処法:
- ユーザー名を確認
- パスワードを再入力
- パスワードを忘れた場合は、サーバー会社に問い合わせ
エラー3: “Host key verification failed”
原因:
- サーバーの情報が変更された
- 中間者攻撃の可能性
対処法:
- サーバー会社に確認
- 問題なければ、known_hostsファイルから該当の行を削除
良い例・悪い例
❌ 悪い例
パスワード:password
ポート番号:22(デフォルト)
IP制限:なし
→ ハッカーに狙われる
→ 不正アクセスされる
✅ 良い例
公開鍵認証を使用
ポート番号:10022(変更済み)
IP制限:自宅のIPのみ許可
→ セキュリティが高い
→ 不正アクセスされない
まとめ
結論:SSH接続は、遠隔地から安全にサーバーを操作する方法です。
SSH接続でできること:
- サーバーの状態確認
- ファイル操作
- WordPressの操作
セキュリティ対策:
- パスワードを複雑にする
- 公開鍵認証を使う
- ポート番号を変更
- IPアドレス制限
最初の一歩: まずはSSH接続ソフト(MacならターミナL、WindowsならTera Term)を用意して、サーバーに接続してみましょう。ログインできたら、ls
コマンドでファイル一覧を表示してみてください。
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